■要約
グリムス<3150>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場し、工場、オフィス等から一般家庭まで幅広い顧客を対象に、高圧から低圧まですべての電力種別の領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。設立以来、エネルギーに関する豊富な提案能力を有する営業社員により、顧客のニーズに合った的確なコンサルティングを続けてきたことによる、「豊富な顧客基盤に基づく営業展開力」「他社との差別化による収益力の強さ」「市場環境と成長機会」が同社グループの強みである。エネルギーソリューション事業は高成長・高収益モデルを実現し、小売電気事業は安定ストック収益源として規模の拡大を図ることで、高い利益成長を継続し、企業価値の向上を追求している。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高33,936百万円(前期比1.8%増)、営業利益7,152百万円(同10.0%増)、経常利益7,289百万円(同9.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,896百万円(同7.4%増)と増収増益決算となった。期初予想に対しては、売上高は5.2%下回ったものの、営業利益は予想どおりに着地し、いずれも過去最高を更新する好決算である。セグメント別では、エネルギーソリューション事業は、電力の自家消費による電力コスト削減を提案する事業用太陽光発電システムや蓄電池の販売拡大から大幅増益になった。小売電気事業も、契約口数の増加や電力市場価格の低下及び容量市場拠出金の負担軽減に伴う売上原価の減少から、増益となった。自己資本比率は68.0%(前期比5.7ポイント改善)と高水準を維持し、東証プライム市場平均を大きく上回る強固な財務基盤を維持している。同様にROA及びROEもプライム市場平均を大きく上回り、収益性も極めて高い。好決算を背景に、配当性向の目安である40%に基づき、1株当たり年間配当金を85円(前期比6円増)に増額し、株主への利益還元にも十分に配慮していると評価できる。
2. 2027年3月期業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高37,174百万円(前期比9.5%増)、営業利益7,900百万円(同10.5%増)、経常利益7,928百万円(同8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,376百万円(同9.8%増)と増収増益を予想し、売上高及び営業利益は前期に続き過去最高の更新を目指す。セグメント別には、エネルギーソリューション事業では、中小企業向けに太陽光発電システムの販売を推進するとともに、蓄電池のクロスセルを強化する。大規模な系統用蓄電池では、6基の系統用蓄電所が順次稼働開始する予定で、需給調整市場での収益を主軸にストック収益基盤を構築する。小売電気事業は、安定した収益を見込めるビジネスモデルであり、契約口数の増加による成長を図る。例年、期初の業績予想は保守的な傾向が強く、通期業績は最終的に期初予想を上回る可能性が高いと見られる。また、1株当たり年間配当金は93円(同8円増)を計画し、引き続き株主還元にも十分に配慮している。
■Key Points
・エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供し、エネルギーソリューション事業と小売電気事業を展開
・2026年3月期は増収増益決算となり、エネルギーソリューション事業と小売電気事業は、ともに増益となった。財務の健全性が高く、収益性も高い水準にある。大幅増配を実施し、株主還元にも前向きである
・2027年3月期も増収増益を予想するが、期初の業績予想は保守的である。さらなる成長に向けて、系統用蓄電所が順次稼働開始する。大幅増配を予定し、引き続き株主還元にも配慮する方針である
■会社概要
低圧から高圧まで全領域を提供する、総合エネルギーソリューションカンパニー
1. 会社概要
同社グループは、「省エネ・創エネ・蓄エネ」を事業領域とし、多様な商品・サービスを通じて顧客にエネルギーソリューションを提供して成長を続けてきた。現在、エネルギーソリューション事業、小売電気事業を行っている。同社グループは持株会社として、グループ経営戦略の策定・推進と事業会社の経営監督を行うと共に系統用蓄電池事業を行い、傘下に、事業用太陽光発電システムを主力商材として電力コスト削減のコンサルティングを提供する(株)GRコンサルティング・(株)グリムスエナジー、電力の小売事業を行う(株)グリムスパワー、住宅用太陽光発電システムや蓄電池等のエネルギー関連商品の販売及び再生可能エネルギーの開発事業を行う(株)グリムスソーラーの4事業会社を有する。同社グループは、これら事業会社を通じて、一般家庭や町工場等が対象の低圧電力市場(100V・200V)から、工場、スーパー、ビル等が対象の高圧電力市場(6,600V〜)までのあらゆる領域に対応可能な、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。
同社グループの社名は、かつて同社グループが運営していた「ブログで苗木を育てるブログパーツ型環境貢献サービス」に由来している。また、同社グループは、「経営に新しいエネルギーを」を企業スローガン、「エネルギー領域の情報格差を解消し、お客さまの経営力の改善に貢献。活力と競争力のある会社を増やしていく」をパーパスとし、すべてのお客様のニーズに耳を傾け、それを形にし、納得、満足いただけるようなサービスの提供に尽力し、今後もより一層お客様に満足していただく商品・サービスを提供することによって、社会から応援され続ける企業を目指している。
2. 沿革
同社グループは、現代表取締役社長の田中政臣(たなかまさおみ)氏らによって2005年7月4日に設立された。当初は電子ブレーカーの販売からスタートしたが、2010年4月に住宅用太陽光発電システム等の販売を開始、2012年12月にはLED照明の販売を開始、2013年12月に電力の取次及びエネルギーマネジメントシステムの販売を開始、2014年3月に太陽光発電所の運営を開始、2016年12月には電力の小売開始など、エネルギーに関する成長性が高い分野を中核に据え、年々事業領域を拡大している。
事業拡大に伴い、2011年4月より持株会社制に移行し、現在の会社名に商号を変更した。2009年3月よりジャスダック証券取引所(現 東証スタンダード市場)に上場していたが、2020年6月には東証2部への上場市場変更を果たし、同年11月には東証1部への昇格を実現した。2022年4月からの東証の新市場区分変更に伴い同社グループは、規模の大きい企業が属し、多くの機関投資家による活発な株式売買が期待される「プライム市場」に移行している。2026年3月31日現在、連結従業員数は367名である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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