■会社概要
1. 会社概要
アピリッツ<4174>は2000年7月に慶應義塾大学の学生により設立され、ECサイトやWebシステムの企画及び構築などを行うWebソリューション、デジタル人材の育成及び派遣、スマートフォン向けゲームの開発・運営及びファンクラブサービスの企画・開発・運営など、総合的にITサービスを展開している。同社の特徴は、顧客から受けた依頼に対して単に受託開発を行うだけではなく、事業企画など上流工程から開発・保守運用に至るまで一気通貫でサービスを提供している点である。
同社の社名「アピリッツ」は、ミッションである「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」を体現した「アプリを楽しく創るチーム(Application software, Spirits)」が由来となっている。
2. 沿革
同社は、インターネット黎明期の2000年7月に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学生数人により、(株)ケイビーエムジェイとして設立された。当初は株式情報の配信サービスを提供していたが、Webサイトやモバイルサイトのシステム開発へシフトしていった。2006年3月には、自社開発のレコメンデーションエンジンを活用した「レコメンドASP※サービス」の提供を開始した。
※ Application Service Providerの略。アプリケーションをインターネットを通じて提供すること。
その後、2009年2月にiPhoneアプリケーションなどのスマートフォン向け開発事業を開始した。同年10月にはECサイト内において商品などのキーワード検索を行うためのASPサービス「Advantage Search」を販売し、同年12月にはECオープンソースパッケージ「エレコマ」の提供を開始した。2010年1月には、SBIベリトランス(株)(現 (株)DGフィナンシャルテクノロジー)と合弁でSBIナビ(株)(現 ナビプラス(株))を設立し、「レコメンドASPサービス」を同社に事業譲渡した。同年11月に自社開発・自社ポータルでのPC向けオンラインゲーム事業を立ち上げ、初のブラウザゲーム「エインヘリアル~ヴァイキングの血脈~」をリリースした。2011年7月にはベトナムにてオンラインゲーム事業の海外展開を開始し、同年9月には脆弱性診断などのWebセキュリティ事業の展開も開始した。2012年2月に受託でのゲーム開発・運営事業へ乗り出し、同年6月にはケイビーエムジェイから現社名である(株)アピリッツへ商号変更を行った。
2021年2月に東京証券取引所(以下、東証)JASDAQへ上場、2022年4月には東証の市場区分見直しにより、東証スタンダード市場に上場した。同社は成長戦略の一環として中小規模のM&Aを推進しており、事業の親和性が高い企業を取り込むことで規模拡大を図っている。具体的には、2022年1月にファンコミュニティサイトの企画・開発・運営を行う(株)ムービングクルーを子会社化し(2025年6月1日に同社が吸収合併)、同年7月にIT人材派遣事業を展開する(株)Y’s及び2024年6月にWebサービスやシステム開発に関するソリューションを提供するBee2B(株)、同年10月に鹿児島を拠点とするAmazon Web Services(以下、AWS)※を活用したクラウドベースのアプリケーションやWeb・スマートフォンアプリの開発サービスなどを提供する(株)クエイルの3社をそれぞれ子会社化した。また、2025年4月1日には子会社のY’sがエンジニア教育・派遣及び受託開発サービスなどを提供する(株)JUT JOYの株式を取得した。2025年8月には、推しカルチャー&ゲーム事業を簡易新設分割で分社化し、同社の100.0%子会社として(株)アピリッツ・ファンカルチャーパートナーを設立した。同子会社はオンラインゲームの企画・開発・運営とファンクラブサービスの企画・開発・運営を担う会社として、意思決定の迅速化と経営責任の整理を進めている。2026年7月には、Shopifyを活用したECサイト構築受託開発・運用保守、D2C支援を行う(株)フルバランスを子会社化した。これに伴い、推し活・ブランドEC領域に特化したECコンシェルジュチームを立ち上げ、フルバランスのEC構築・運用支援ノウハウと、同社のWebソリューション事業及び推しカルチャー&ゲーム事業を組み合わせる方針である。
※ Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスの総称。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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