新型コロナウイルスの影響を受け、中古マンション市場はどう動いているのか。買い換えや売却を検討していた人にとっては気になるところだと思います。そこで今回は、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が発表した4月の首都圏流通動向をもとに、現在の中古マンション事情を解説していきます。(『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』廣田信子)
プロフィール:廣田信子(ひろたのぶこ)
マンション総合コンサルティング(株)代表取締役、一級建築士、マンション管理士 、元マンション管理センター総合研究所主席研究員。著書『2020年マンション大崩壊から逃れる50の方法!』好評発売中。
成約件数はなんと52.6%減
中古マンション市場がどうなっているか、マンション住民の方は気になっていると思います。特に、諸事情で買い換えを検討していた方、すでに次の新築物件の売買契約済みで、今の物件を近々売却しなければならない方は……。
コロナの影響が本格的に出るのは、まだまだこれからだと思いますが、今の状況を確認しておきます。
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は、5月15日に4月の首都圏流通動向をまとめ、発表しました。
それによると、首都圏の中古マンションの成約件数は1,629件で、前年比52.6%減の大幅減となり、減少率は1990年5月の同機構発足以降過去最大となっています。
成約価格は5.8%減
価格に関しても、成約平米単価は前年比で4.5%下落、成約価格は3,201万円で5.8%下落。新型コロナウイルスの感染拡大による影響と見られています。
ただ、前年比の成約平米単価には地域差があり、東京都区部は、−1.6%にとどまり、横浜市・川崎市は、+0.1%と、価格を維持しています。逆に、千葉県は−11.3%、神奈川(横浜・川崎を除く)は−7.2%と大幅に下がっています。
在庫数は4.0%増
また、売買市場への新規の登録件数は、5,132件で前年比−19.1%、前月比でも−17.1%となっています。売りに出す物件は減っているが成約に至らないため、在庫数は2万2,837件と、前年比で4.0%増加しています。
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