年明けに韓国船がイランに拿捕されてずいぶん経つが、事態は進展していない。韓国はバイデン新政権に解決を期待しているが、韓国に有利に動くとは限らない。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)
※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2021年1月24日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
「韓国 vs イラン」は膠着状態に
韓国船がイランに拿捕された事件の続報をお伝えする。
概要をおさらいすると、1月4日にイラン革命防衛隊が韓国籍のタンカーを拿捕。その背景には、米国による対イラン制裁によって、韓国の銀行口座にある原油代金70億ドルが凍結されたことへ不満があるとの見方が大勢だ。
年明けに発生してからかなりの時間が経過しているが、ほとんど進展していない。
本当に凍結された口座に70億ドルが入っているのか。その中身が気になるが、残念ながら情報は出てこない。イランが韓国製の救急車を凍結された資金で買うと提案した…など明らかに韓国側のフェイクニュースも流れたりしている。
最新情報によると、イランは滞納している国連の分担金、薬・新型コロナウイルスの検査キットの購入費に充てたいと述べているようだ。しかし、韓国側の情報はあてにならないだろう。さらに言えば、不良品の検査キットをイランが欲しがるとは思えない。ただ、イランが新型コロナウイルスのワクチンが欲しがっているとの情報は、イラン側でのニュースにもある。
イラン外相は韓国に怒り心頭
実際、イランはこの機会に、70億ドルの原油代金+利子を要求しているようだ。口座凍結から10年ほど経過しているので、当然といえば当然だ。
そして、イランのザリフ外相が公式ホームページ上で次のように述べている。
「韓国の役人らに『あなたたちがイラン国民の食べ物と薬を買うのに使うべき資金を凍結した。これは米国の命令によりイラン国民の食べ物と薬を奪ったもの』と話した」という。
これを読めば、イランの外相も、韓国に対して怒りを露わにしていることがわかるだろう。次のような発言もある。「韓国は、今回のことが今後、韓国に対するイラン国民の態度に影響を及ぼすことを理解しなければならない。このゲームの敗者は結局、韓国と韓国の産業になるだろう」。
韓国が原油代金70億ドルを懐に入れた?
韓国がさっさと70億ドル+利子相当をイランに渡せば、それでイラン側は納得するだろう。
それを10年間、米国のせいにして、原油代金をネコババしようとしているとの見方がある。
イランはすでに人質を取っているので、長引けば韓国国内から批判が増えるだろう。
Next: 米国に助けを求める韓国。バイデン政権はどう出る?