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路上で騒ぐ「道路族」から実害を受けたらどうする?徹底的に戦うための4ステップ=午堂登紀雄

第3段階:訴訟を起こす

行政に動いてもらってもダメならどうするか。先ほどのメッセージのように、警察が注意をしてものらりくらり、という場合です。

そういう話が通じない相手には、「裁判しかない」と思います。もはや相手は人間ではないという前提で戦うしかありません。そして訴訟を起こすには(そして勝訴するには)客観的な物的証拠が必要です。そこで、

・日付と時間が入った音声付き動画を何本も撮影する
・音量計で騒音デシベルを記録する
・行政への通報や相談の記録をとっておく
・病院で診断書を出してもらう

これら証拠をそろえて訴訟を起こし、慰謝料及び損害賠償請求をする。騒音デシベルの記録は、騒音トラブルは受忍限度(社会通念上、耐えてしかるべき限度)という考え方で評価するからです。

診断書を出してもらうのも、精神的な被害を実際に受けているという証拠になるからです。さらに相手が不誠実な態度で適切な対応をしない場合、これは原告に有利に、被告に不利に働きます。だからこれも記録に残しておく。常習性や相手が不誠実な対応だと認められれば勝訴の可能性が高くなります(過去の騒音判例もそんな感じです)。

弁護士費用を上乗せして請求することも可能ですし、余裕がない人は法テラスなどで無料相談を受けることもできます。

お金も時間もかかって不安という場合、60万円以内の少額訴訟であれば費用は1万円もかからず1日で結審します。なので慰謝料請求を60万円でやるなども一手でしょう。

第4段階:引っ越す

問題に対峙した時、「逃走か」「闘争か」という2つの選択があるとよく言われます。そのどちらを選ぶかも、人によるのだとは思います。

もうどうしようもない、心的ストレスも大きい。そして、道路族のためにエネルギーを使いたくないなら、「逃走」つまりさっさと引っ越すのもアリのような気がします。

訴訟を起こして、もし自分の子どもなど家族に被害が懸念するならば(相手側の子どもによるケンカになるとか)、訴訟を始めると同時に引っ越すことです。

賃貸住まいなら比較的簡単に引っ越しできると思いますが、持ち家の場合はそう簡単ではないかもしれません。私なら、新たに別の自宅を購入してそこに引っ越し、前の自宅を賃貸に出して家賃収入を得ると思います。もちろん追加で住宅ローンを組めるかどうかは、本人の属性と次の住宅の金額にもよりますが、売るだけが方法ではありません。「引っ越すのは無理」と決めつけず、色々な方法を模索する必要があると考えています。

という感じでしょうか。

ただ裁判を起こすのは、多くの人にとって心理的ハードルが高いようです。私は原告も被告も両方経験したことがあるのですが、一度経験しておくと、裁判のプロセスの全体像と何が起こるのかがわかるので、それほど不安なものではなくなります。そして、以降は対人トラブルが怖くなくなります。何か深刻な問題が起きても、最後は裁判で解決すればいいと腹が据わるからです。

Next: どんなに常識のない人に対しても、被害を受ければ徹底的に戦うこと

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