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長期投資と短期投資は「混ぜるな危険」初心者が損しがちな3つの罠=栫井駿介

自分のスタンスを明確に

「なぜ失敗したのか?」ということをまとめますと、そもそも長期投資なのか短期投資なのかということをはっきりさせずに、すぐに上がるだろうと買ったのですが、下がりだして、下がったからといってすぐに逃げるのではなくて、むしろ業績が良いからと急に短期投資から長期投資の考えに切り替わって、混ぜてはいけないものを混ぜてしまってナンピン。そして、やがては塩漬けになってしまうのです。

もしあなたがこの塩漬けの状態にあるとしたら、それは損を確定させてしまうことになるでしょうけれども、今すぐに売ってください。

もう上がる可能性というのは高くないですし、塩漬けになってしまったらその期間、時間を無駄にしてしまいます。

その間に仮に損を1回出してでもこれから上がる銘柄の方に移し変えてしまった方が、トータルでのパフォーマンスが良くなることは間違いありません。

しかし、これができないのが人間の性で、人間は損失を確定させることを極端に嫌がります。

これは 「loss aversion(損失回避性)」と言うのですが、この損失を回避したいがために、なかなか売れずに前に進めずに、投資がまったく進まないという人をかなり多く見てきました。

私が多くの初心者にアドバイスするとしたら、今誰かに聞かなければならないような状態にあるぐらいわけがわかっていないのならば、今すぐ売ってしまった方がいいということです。

ウォーレン・バフェットも「ポーカーで誰がカモかわからない時は自分がカモだ」という風に言っていますし、自分がよくわかっていないものに投資するということは最大のリスクだとも言っています。

もしあなたが初心者だったら、この記事を見て失敗しないように心掛けて、さらにはもし今この状態に陥ってしまっているとしたら、今すぐに売って、そして自分が短期投資家なのか、長期投資家なのかということを、重々に考えてからもう一度始めるようにしてください。

短期投資をやるか、長期投資をやるかで見るべき情報というのも異なってきますので、その方向性を見出していただければと思います。

長期投資と短期投資は“混ぜるな危険”です。そして、ダメだと思ったら潔く損切りしてリスタートをかけなければなりません。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:Osugi / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年5月9日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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