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長期投資と短期投資は「混ぜるな危険」初心者が損しがちな3つの罠=栫井駿介

<失敗の原因その2:下手なナンピン>

そして、多くの初心者の投資家が失敗しがちなのは、これらを混ぜて考えてしまうということです。まったく違うものを一緒くたにして考えてしまうと、それこそまさに混ぜるな危険というような形になってしまいます。

この混ぜてはいけない長期投資と短期投資を混ぜた結果が先ほどを示した通り、2つ目の失敗原因の下手なナンピンということに繋がってきます。

こちらは先ほどのチャートをさらに直近6カ月に絞ってみたものです。

20210510栫井02

こうやって株価は大きく上昇してきたところで、それぞれの投資家が何を考えるかというと、短期投資家としてはまだまだ上がっていますから、割高だろうとPER100倍だろうと動きがあるから買いだと考えてどんどん参入してくるわけです。

一方で長期投資家はこれ以前に例えば4,000円とかで持っていた長期投資家ならば、上がってきてだいぶ割高になったので、そろそろ売り時かなということを考えます。

そうやって株価がジワジワと上がってきたところにやってくるのが、初心者ということになります。言葉を選ばなければ、初心者が“のこのこと”やってくるということになります。

短期投資家を始め、長期投資家もここで儲かっている状況です。

それらを見て自分もこの銘柄を買えば、きっと彼らと同じように金持ちになれるに違いないという風に考えて、この辺で買いに出ます。

良い銘柄ですし、実際に業績も大きく伸びていたりすることが多いです。それを見て、俺も金持ちだという風に考えるわけです。

しかし、やはり上がり続ける株価というのはありません。やがては反転します。反転するとどうなるのかというと、短期投資家としては先ほど言いました通り、下がり始めたらすぐにでも売りだということを考えます。

こうやってぐんと下がるとここで短期投資家は下がったからもう逃げろというような形で売りにまわります。さらに長期投資家としても安い時から持ってきて、そろそろ割高だし下がり始めたからもう利益確定の時だと考えて、利確を行います。

これがこなれた投資家の動きなのですが、一方で初心者の投資家はどうでしょうか。

買ったところから大きく下がってしまいました、しかし企業の業績はまだまだ良い、それからこれを持ってて儲かった、金持ちになった人達も見てきましたからまだイケるのではないかという風に考えてしまいます。

業績が良いから上がるはずだと、ここでナンピンだということを考えるわけです。

ただし、ことはそう簡単ではありません。短期投資家というのは基本的にトレンドフォロワーなので、トレンドが転換したと考えると、目先儲かるチャンスは無いということを考えて、一気に次の銘柄へ逃げ出してしまいます。

さらに長期投資家としても業績が良い企業であったとしても、株価はもうすでに業績を大きく上回って割高だという風な判断しています。

多少下がったからといって今から買える水準ではないということを考えます。したがって、もうこの銘柄を新規で買いたい投資家はなかなか現れないということになります。

<失敗の原因その3:塩漬け>

そして、この株価というのは物の価格ですから、需要と供給によって成り立ちます。需要がなくて売ってしまう人達ばかりですから、こうなってくるといよいよ株価上がる理由がなく、買う人がいないということになります。

しかし、上がらなくなっている株価を見て、この初心者の投資家としては長期投資だという風に切り替えるのですが、前述の通りもう買いたい投資家もいません。

しかも現時点でもまだ割高ということなので、なかなか上がる理由がありません。

そのまま放置されて塩漬けになって、もう株価を見るのも嫌だという風になってしまう、これが初心者における最も多い失敗のパターンです。

Next: 投資初心者がまず考えるべきは2つだけ

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