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東京五輪「中止」5月中に表明か。期限ギリギリの決断で菅政権は退陣へ=斎藤満

東京五輪は開催か中止か。近々何らかの判断がなされ、中止決断ならば、5月下旬には表明がなされると見られます。その場合、菅総理の退陣につながる可能性もあります。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年5月14日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

決断の時期が迫る

夏の東京オリンピック・パラリンピック開催をめぐって賛否が分かれ、攻防が高まっています。

テニスの大坂なおみ選手や錦織圭選手などからも中止の議論を促したり、死者を出してまでの開催を疑問視する声が上がっています。

池江選手に参加辞退や開催中止の働きかけを求めたり、逆に「さざ波程度の感染」で五輪中止はおかしいと、高橋内閣府参与が発言して物議をかもしています。

五輪選手優先のワクチン接種に選手側からも疑問の声が上がり、五輪選手用の病床確保、医療従事者の確保も、国と自治体でもめています。

いずれにしても7月の開催予定日が迫っているだけに、中止をするにしても「ドタキャン」とならないよう、少なくとも60日前まで、従って5月下旬には結論を出す必要がありそうです。それまでに小池東京都知事や菅総理から何らかの発言があると見られています。

開催にこだわる自民党の混乱

それにしてもこの夏の東京五輪が政治的な思惑で振り回されています。コロナの感染対策や五輪開催で小池都知事と政府との対立が目立ちます。

緊急事態宣言延期でも、12日から規制を緩和したい政府と、規制を続けたい都知事との対立が強まり、結局、国立美術館・博物館の閉鎖、映画館の休業を延長する一方で、百貨店には「生活必需品」として事実上の営業再開を認めました。

スポーツ・イベントでも、緊急事態宣言延長でも、12日からは大相撲の他、野球、サッカーの観客受け入れは認めることになりました。この2つは五輪種目に入っているためと言います。

先の高橋洋一内閣府参与の「さざ波」発言をしてまで、政府自民党が東京五輪開催にこだわる一つの理由がこの秋までに行われる衆議院選挙です。

東京オリ・パラで盛り上がったところで選挙を行えば、菅政権には大きな追い風になると読んでいます。選挙のために五輪を利用しようとの魂胆です。

もう1つの理由が、この冬の北京五輪にあると言います。つまり、この夏の東京五輪がコロナの感染拡大のために中止となり、その数か月後に北京で冬季五輪が開催されれば、日本政府のメンツは丸つぶれになると恐れています。

しかし、ここには米国の風を読めていない自民党員が多いことを示しています。少なくとも米国は東京五輪に不参加で北京冬季五輪に参加することはまずありません。

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