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韓国大統領選を前に飛び交う「反日カード」前検察総長が腐敗追求、文政権は“最後の悪あがき”へ=勝又壽良

文政権の政治腐敗

韓国の検察は当然、職務として政治腐敗を捜査した。次の事件がそれだ。

1)文大統領の旧知の者が市長選に立候補した際、野党候補を無実の罪名で家宅捜査させ汚名を着せて落選させた。この陰謀に、大統領府高官が絡んでいた。文大統領自身へも疑惑は広がっている。

2)正常に操業し黒字経営である月城原発を強引に操業停止に追い込んだ。文氏が大統領選立候補の際に「脱原発」を公約したというのが理由である。政府は、前記原発の操業を中止させるために、データをねつ造して赤字経営に装わせた。そのため、スパイもどきで夜間秘かにしのび込みデータを改ざんさせた。その命令が長官(大臣)から出たとされている。

韓国法務部(法務省)は、こうした疑惑の捜査を中止させるべく、検察総長の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏の辞任を画策した。ユン氏の任期は2年間で、今年7月が期限切れである。それを待たずに辞任させようとした。ユン氏は、文大統領が任命した人事である。朴槿惠(パク・クネ)前大統領の弾劾捜査を指揮した経験を高く評価されて、検察総長へ抜擢されたものだ。

文氏は、ユン氏が保守党に厳しいものの、進歩派に甘いであろうという期待を持って任命した。ユン氏は就任に当たり、「党派に関係なく悪を退治する」と発言し、その通りに実行した。これに驚いたのが政権である。昨年1~10月は、法務部長官とユン氏をめぐる「辞任」「弾劾」を求める騒ぎになって、検察総長としての職務遂行を妨害した。

政権は、この間にユン氏を悪者に仕立てて、検察改革と称して検察捜査権の縮小化を図った。ついに、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)をつくって大統領、国会議長、大法院長などの高位公職者の犯罪捜査を専門とする独立機関に分離した。この機関のトップ選任では、与野党の合意とする法律を、与党の単独審議で削除する改定まで行なった。

こうして、文大統領が退任後も前記2つの案件捜査で検察の追及を受けず、仲間内の捜査官による、もたれ合い捜査で逃げ切れると甘く見ているようである。

虐めて追い出したユン氏の復讐劇

ユン氏は、文政権の限りない攻撃によって、この3月に自ら辞任した。

だが、文政権にとってこれが大誤算であることがすぐに分かった。世論調査では、ユン氏が次期大統領選で有力候補として支持を集めていることが判明したのだ。ユン氏は、政治問題について沈黙しているにもかかわらず、世論では「ユン氏待望論」が高まったのである。

皮肉なことに、文政権が必死になってユン氏を追い払おうしてきたことが、逆にユン氏を大統領の椅子に近づけるテコになっていた。イソップ物語に出てきそうな話である。

政権が、ユン氏を甘く見ていた背景は、ユン氏が「大統領の第3候補」に終わると見ていたことだ。韓国の過去の大統領選では、保守派・革新派の2大勢力の候補者が勝利を収めてきた。「第3候補」は、支持層が固まらず運動が上滑りになると予測した。

それゆえ、ユン氏を虐めて追出せば、政権与党の勝利と踏んでいたことは間違いない。

この短見が誤りであることが、4月の二大市長選で証明された。20~30代の若者が、与党を離れて野党へ集結したのだ。しかも、野党に有力な大統領候補者がいないことから、野党がユン氏を担ぐ公算が強まった。

それを裏付けるように、最大野党「国民の力」代表は、36歳で非議員という過去に例のない破格の人物が登場した。まさに、20~30代の若者の意見を代表する「偶像」が、野党代表に就任したのである。

【関連】韓国「反日米・親中朝」終焉の兆し。最大野党に36歳非議員の党首誕生、文政権打倒へ王手=勝又壽良

こうなると、文政権の腐敗について身を以て体験してきたユン氏が、大統領選の野党候補になる可能性が一段と高まっている。

Next: ユン氏、6月中に出馬表明か。見えてきた文政権の終焉

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