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日経平均一時481円安、景気回復の鈍化懸念。下がると買っちゃう楽観的な米国市場に追従できるか?

原油が急落。長期金利低下の一因に

さらにここで「原油が急落」 。UAEが協調減産縮小(協調しての生産拡大)に反対して物別れに終わった拡大OPECの結果を懸念して高騰していた原油価格だが、ここにきてUAEは逆に協調減産体制を無視して独自増産に踏み切るとの見方が浮上。

そうなれば他の産油国も追随して勝手に増産をするのではないかとの見方で原油価格は一転して売られる結果となった。最高値で77ドルを超えていたWTIは73ドル台へ下落。

WTI(原油先物)日足(SBI証券提供)

原油(WTI原油先物)日足(SBI証券提供)

コロナ禍来高値、を更新した後上髭を伴う包み足でさげ、 原油株もつれて下落。ダウ安の一因となった 。ただ、原油価格の下落はインフレ圧力の後退でもあり長期金利の低下の一因ともなっている。

ダウ一時400ドル安も、下げ幅を縮小したワケ

この「ISM非製造業景況指数」の鈍化による景気頭打ち懸念で景気敏感が売られたこと、原油株が売られたことのダブルで、ダウは一時400ドルを超える下げとなった。

ナスダックも景気悪化で一株利益が減少するとの見方でマイナス圏へ。

「景気悪化」とともに「インフレ圧力が低下している」ことも示した ISMの結果を見て短期金利と長期金利がともに下落 (債券価格は上昇)。どちらかと言うと景気悪化とインフレ懸念の縮小が大きく長期金利がより大きく低下する「ブルフラットニング」となった。

このブルフラットニングにより利鞘が低下すると見られる銀行株の下げが加速してダウの下げに貢献 。銀行株は直近に4ー6の決算発表もあり月末に増配や自社株買い期待で買われた反動の売りが嵩んだ面もある。

ただ、お昼過ぎまですべての指数が売られたところで「アメリカ人バカだから(下がると買っちゃうんだよね。褒め言葉)」が発動。1.37%と2月末以来の水準まで低下した10年もの金利を手がかりにグロース株を買う動きが強まると相場は下げ幅を大きく縮小。

引け前の1時間でナスダックはプラスに転じた。ダウも下げ幅を半減させて引けている。恐るべしアメリカ人。

Next: 中国共産党の横やりで中国IT企業は急落。日米株価への影響は?

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