なぜコインに投資家たちが熱視線?
まず(1)の「その資産の価値を多くの参加者が容易に判断できること」についてです。
以前は、1枚ずつ実際に目で見て、コインの状態を判断せざるをえませんでした。それが今では、多くのコインがすでに鑑定会社のケースに入っています。真贋はもちろん、コインの状態を含めすでに鑑定済みですので、特に専門的な知識がなくても、コインの価値をある程度判断できるようになりました。
次に(2)の「資産を売買できる交換所があり、なおかつ一定の取引量があること」についてです。
以前はコインの売買は個人間や個人とコイン商の間というように、1対1で行われるのが常でした。それが今では、オークションが大きな役割を担うようになってきました。オークションは世界中で毎週のように開かれており、買い手も売り手も容易に売買ができるようになったのです。
もちろん株や債券のようにリアルタイムというわけにはいきませんが、それでも以前と比べると、格段に短い時間で売買が完了するようになりました。
コイン市場に残る課題
もちろん(1)にしても(2)にしても完全ではなく、今でもさまざまな問題はあります。
たとえば、鑑定会社の評価です。鑑定会社は一般に1から70までの数字でコインの状態を評価しますが、あくまでその数字は鑑定会社による主観に基づいて行われたものですし、鑑定人によってバラつきも生じます。
また、流動性についても問題がないわけではありません。週に1度オークションがあるといっても、1度に出品されるコインの点数は数千枚ほど、金額にしてせいぜい数億円どまりです。
一方で株や債券は世界中で24時間売買できますし、売買高という点では比較の対象にすらなりません。
このようにまだまだ発展途上にあるものの、少なくともこの20年という時間軸で見れば、上記の2点で、コインの金融商品化が進んできたといっていでしょう。