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日本中のエアコンが静止する日。迫る「2021年8月大停電」の恐怖を私達はまだ知らない=澤田聖陽

再生可能エネルギーへの投資が進む米国、石炭火力に頼る中国

実はこれは日本だけの現象ではなくて、アメリカでも1979年3月28日のスリーマイル島原子力発電所事故の影響で、30年近くも原発の新設が止まっていました。

中国は原発の新設を進めており、2020年末時点稼働している原子力発電ユニットは48基、設備容量は4988万kWで、アメリカ、フランスに次ぐ世界3位になっています。

2017年と少し前のデータですが、アメリカの電力供給における原子力の割合は19.8%、中国は3.7%となっています。

アメリカは原発よりも再生可能エネルギーへの莫大な投資が進んでおり、おそらく今後は原発による発電量は大きく減らなくても、電力供給のなかでの比率は下がっていくでしょう。

中国は現状でも石炭火力の比率が60%以上ありますが(2017年の数値で67.9%)、少なくとも2025年までは石炭火力発電所の新設を続けると表明しています。

2025年以降は、2026年以降2030年までに徐々に減らしていくという方針を表明していますが、中国がこの方針を変更しない保証はありません(対外的に表明しておいて、それを守らないと信用がなくなるという人がいるかもしれませんが、そういう考えを持っているのであれば今の中国にはなっていないでしょう)。

CO2削減に向けて日本ができる3つの施策

CO2削減の方針に向かって、今後、日本政府が実行できる政策は大きく分けると以下の3点だと思っています。

1. 原子力発電の数と発電量を増やして、化石燃料による火力発電の発電量を減らす
2. 再生可能エネルギー(風力、洋上風力、太陽光など)を増やして化石燃料による火力発電を減らす
3. 水素、アンモニアなどの新しい発電を開発し増やすことで、化石燃料による発電量を減らす

これに加えて化石燃料によるCO2排出量を減らすという施策があるかと思います。

「CCS(CO2回収・貯留)」「CCUS(分離・貯留したCO2の利用)」などの技術開発が行われていますが、発電による発生するCO2総量にインパクトを与えるまでに発展するにはまだ相当な時間が掛かるでしょう。

現在、日本が目指そうとしているエネルギー政策は、大まかに言いますと、(2)の再生可能エネルギーと(3)の新しい発電技術の開発を推進すること。そして(1)の原子力に関しては、後述の通り、現状よりも電力供給における比率は上昇するものの、「エネルギー基本計画」の中では原発依存度は可能な限り低減させる方針が示されているという、少し変な状況が発生しています。

そもそも原発40年寿命説(最長20年延長は可能と言われていますが)があり、新設をしていかなければ原子力の比率は段々と下がっていくと考えるのが自然だと思うのですが(直近の動きとして、関西電力の美浜原発3号機と高浜原発1・2号機は運転開始から40年超ですが、稼働が決定されました)。

2019年の電力供給(総発電量)における電源構成の比率は火力発電76%、再生可能エネルギー(水力含む)18%、原子力6%という比率ですが、2030年には火力発電56%、原子力20~22%、再生可能エネルギー22~24%とする計画となっています(資源エネルギー庁資料より)。

また経済産業省は、2050年には再生可能エネルギー50~60%、水素・アンモニアなどの新しい火力発電10%、従来火力+原子力30~40%とするという「参考値」を公表しています。

この数値を達成するには、今よりもかなり大きく再生可能エネルギーに寄せていく必要があります。

Next: 自然頼みの再生可能エネルギーは安定供給に問題アリ

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