衆議院選挙は自民党が安定的過半数を取りました。そして株価が上昇したのは、意味不明です。岸田政権が何をするのか、公約などをみていると何も決まっていない状態です。何を行うのかがわからないのに、なぜ株を買うのか。私にはよく理解できません。(『角野實のファンダメンタルズのススメ』)
※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2021年11月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。
「分配」されたお金はどこかで返済を迫られる
個人的な感想としては、「分配」を政策の目玉に掲げる岸田政権にはあまり期待をしていない、というのが本音です。
普通の人は、真面目に働いて、いくばくかの賃金を得て、人並みの暮らしをしたい……というのが希望だと私は思います。
自分が働いて、投資をして得た資金であれば、自由に使うことができるものですが、古い言い方ですが、お上からお金を恵んでもらうような形でのお金というのは、なんだかすっきりしない。そう思うのは私だけなのかな、と思います。
人並みの暮らしをするためのお金というのは、ひも付きのお金、つまり「政府に感謝をしなければいけない」ようなお金ではなく、自分で働いた結果、堂々と受け取ることのできるお金で、私は胸を張りたいとは思います。
いわば、古い考え方なのかもしれませんが、ひも付きのお金というのは、どうせどこかで返済しなければいけないお金と考えると、なんだかなぁ~という気分になるのです。
去年、現金給付の10万円をもらって、複雑な感情になったものです。
要は、「どこかでこの借金を返済しなければいけないんでしょ?」と思うと、複雑な気分になるのです。
与党勝利で株が買われる謎
こういう個人的な感情はさておき、岸田政権は「分配」を重んじると公約としています。
その結果、選挙から一夜明けた11月1日(月)の日経平均株価は前週末比754円高と大幅に続伸しました。
正直な話、公約などをみていると何も決まっていない状態で「なぜ株を買うのか?」ということです。
何を行うのかがわからないのに、なぜ、株を買うのか。私にはよく理解できません。
たとえば、分配は行うのでしょうが、それは財政緩和ということになるでしょう。日銀を巻き込んでの金融緩和には、おそらくならないでしょう。