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ジム・ロジャーズが警告する日本衰退。コロナ後に来るインフレと大増税を乗り切る術は?=花輪陽子

110万円の贈与税の基礎控除(暦年贈与)は変更ナシ

暦年贈与の課税強化は、検討されたものの持ち越しとなりました。年間110万円の贈与税の基礎控除の範囲であれば、税金はかかりません。

また、現在は被相続人が贈与してから3年以内に亡くなると、相続人が3年以内に受け取った財産は相続財産に加算して相続税を計算することとなっています。

この期間が「5年」や「10年」にすべきという見方も出ているようです。将来的にこれらが見直しになれば、大きなインパクトを受けるでしょう。

贈与税が改正されれば、私達はますます子供世代に資産継承をすることが難しくなります。

今のうちに家族で海外移住をして、10年間ルールを活用するのも手かもしれません。ですが、この10年も昔はゼロ、5年とどんどん強化されているので将来的には変わる可能性もあるかもしれません。

いずれにせよ、日本では税制改正改正のオンパレードで、税制は複雑怪奇です。毎年税制改正を追っていないと、もはやついていくことはできないレベルでしょう。

普通の会社員の方でも大きな申告がある場合は、間違いのないように事前に税理士相談をするほうが無難だと感じます。税理士も法人ではなく個人の場合で、相談内容が軽いケースならば、料金設定も柔軟に対応をしてくれる方もいるようです。

インフレ退治から各国で利上げが広がる

英国や米国などではインフレ率が想定以上に上昇しており、各国で金あまりからの投機にストップをかける動きが見られます。

米国労働省が12月10日に発表した2021年11月の消費者物価指数は前年同月比6.8%上昇となりました(変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は同4.9%上昇)。

品目別では、食料品が全体で6.1%、ガソリンが58.1%、中古車が31.4%、新車11.1%、住居費が3.8%上昇となっています。航空運賃は3.7%低下で前月に引き続きマイナス(前月比では4.7%上昇で5カ月ぶりのプラス)となりました。
※参考:11月の米消費者物価、前年同月比6.8%上昇、39年ぶりの高い伸び – ジェトロ(2021年12月13日配信)

米連邦準備制度理事会(FRB)は15日の米連法公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(米国債などの資産を購入する量的緩和の縮小)の加速を決めました。

終了時期の想定を6月から3月に前倒しし、22年中に合計3回の政策金利の引き上げを見込む予定です。これはインフレ率が目標の2%を大きく上回っているために、物価の安定を守るために行われる予定です。

英国でも政策金利の引き上げを発表し、現在の0.1%から0.15%引き上げ0.25%にすると発表しました。

日銀もコロナ対応からの資金繰り支援策の縮小を決めました。金融機関に有利な条件で貸し出しの原資を供給する公開市場操作は9月末まで半年延長します。

私が暮らすシンガポールでは、新たな不動産投機抑制策を導入します。
※参考:シンガポールが住宅価格抑制策、2018年以来-外国人の購入に課税強化 – Bloomberg(2021年12月16日配信)

16日から印紙税率を引き上げるほか、住宅ローンに関する規定を厳格化します。2軒目の住宅購入者や私有財産を買い入れる外国人に対する印紙税を引き上げる予定です。

Next: 各国でじわじわ浸透するインフレ、電気代も食費も増えていく

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