fbpx

2022年の中国経済は「冬の時代」へ。元証券会社社長が分析、世界規模の経済危機を招く虚飾崩壊と習近平“第二文革”に警戒せよ=澤田聖陽

中国経済の長い冬の時代が到来

「バランスシート不況」とは、野村総合研究所のリチャード・クー氏がバブル崩壊後の日本経済を評した言葉だが、中国も同じような道を辿る可能性が高い。

資産バブル崩壊による景気後退局面において、不動産や株などの担保価値が下落し、企業のバランスシート(貸借対照表)は大きく棄損する。

バランスシートが大きく棄損すると、企業は借金の圧縮の為に資産を売却したり、設備投資の手控えが起こる。

これによって経済状況は悪化し、資産価格はさらに下落してより経済状況が悪化する。

この負のスパイラルを「バランスシート不況」と称している。

日本のバブル崩壊後は、まさにこの負のスパイラルが発生したわけだが、中国も同じ局面に立たされている。

中国は日本のバブル崩壊の事例を詳細に研究しており、日本と同じ間違いを起こさないという論がある。

これはおそらく間違いだろうと思う。

たしかに中国は日本の例を研究しているだろうし、一党独裁の全体主義的国家ゆえに日本と違って、強権的な手法も用いられるだろう。

だからといってバブルをソフトランディングできるかというと、バブル崩壊を先送りすることはある程度は可能だろうが、崩壊という最終的な結末を変えることはできない。

むしろ誤魔化しながら先送りをすることで、バブルが必要以上に膨らんでしまい、崩壊した時のダメージはより大きくなる。

中国の不動産バブルは、20世紀以降で他に類を見ないほど膨らんだ状態のバブルであり、これをソフトランディングできると考えるのは傲慢でしかないし、不可能であろう。

おそらく今後1~2年の間に不動産バブルの崩壊がより明確になり、中国はバランスシート不況に陥る。

おそらくその先は10~20年単位の低成長時代(冬の時代)が到来すると考えている。

中国は歪な経済大国

中国経済について、日本では中国との地政学的な関係もあり「中国経済凄い論」と「中国経済凄くない論」という二元論で語られがちである。

筆者は以前から中国は「歪な経済大国」であると評してきた。

中国は「凄い部分」と「凄くない部分」が極端に混在している国なのである。

「凄い部分」の代表的ものはAIやIoTなどの先端技術である。

特にAIについては、中国の現政治体制下においては、個人情報の入手や利用が民主主義国家よりも容易であるため、ビッグデータの蓄積で先行している。

また電子マネーやスマホ経済圏などについても進んでいると言っていいだろう。

2000年代以降に一気に経済規模が拡大したため、他の先進国のようにレガシーコストが少なく、電子マネーやスマホなどの新しいものが一気に普及しやすかったという土壌もあったように思う。

ただし、問題点としてはこのような先端分野だけでは、中国の約8億人の労働者のほんの一部しか満たすことはできないということである。

Next: 強みだった人件費の安さは消滅、政治的リスクも経済の足かせに

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー