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「高いほど売れる」原価10円の化粧品を3万円で買わせる“共同幻想”の恐ろしさ。巨額宣伝費をかけた新ブランドが次々と生まれて消えるワケ=神岡真司

世の中には原価激安なのに高額商品がまかり通っている

ところで、世の中では、原価よりもはるかに高い価格で買わされているものが多くありますが、健康食品のサプリメントなどもそうです。

また、ブランド品も原価激安なので、アウトレットモールで5割引き、7割引きで販売してもメーカーは利益が出ています。

「ウェブレン効果の消費」といって、高額のブランド品であるほど、見せびらかしたい……といった顕示意欲が喚起され、セレブ気分が味わえる(自己拡張効果)から、ファンがつくのです。

しかし、原価激安なのに非常に高額で、日用品として当たり前のように高額販売されているのは、何といっても「化粧品」でしょう。化粧品ほどのボッタクリ商品は、ちょっと際立っているのです。

ところで、読者の皆さまは、化粧品のそれぞれの原料や容器などを含めた「原価」について、調べられたり、考えられたことはあるでしょうか。

今回は、その驚くべき価格の内容について紹介していきましょう。

原価激安なのに高額販売。最もひどいのが「化粧品」

なぜ原価激安なのに、化粧品は高額で販売されているのでしょうか。

それは「高いほど美肌効果がある」と思う共同幻想に支配されているからです。

化粧品の原価は激安です。これは業界のマル秘常識です。たった500円の肌クリームも、3万円もする高級美肌クリームも、中身に大した違いはありません。

原材料費は、驚くべきことに、いずれも10数円に過ぎません。おしゃれな容器代や箱代のほうが100円以上したりします。

けれども、500円のクリームよりも、3万円のクリームのほうをありがたがって「こっちのほうが絶対に効果がある」と信じて買う人が大勢いる商品なのです。

化粧品は、医薬品とは異なり「効能効果が謳えない」のに、消費者のほうが勝手に高額な商品のほうが「お肌にいいから」と信じてくれる人が絶えないのです。

Next: 中身はただの水と油。“オイシイ”商売に次々とブランドが立ち上がる

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