ウクライナにある原子力発電所で、ロシア軍の攻撃を受けて火災が発生したとの報道が出ました。欧州破滅の危機のときに株や為替のことを気にするというのは相当不遜な話ですが、1986年の際には、ソ連内で起きた原発事故ということで全容が判明するまでにかなりの時間がかかり、当時の日経平均はバブル期の上昇過程に入る直前であったことから、株価にも為替にも顕著な影響が出ることはありませんでした。しかし今回、事故が起きるとすれば作為的なものであり、さらに原発規模欧州最大ということですから、金融市場には想像を超える影響が出かねない状況です。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年3月1日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。
「ウクライナ原発砲撃」の報道で相場大荒れ
本日東京タイムのスタート直前にとんでもないニュースのヘッドラインが舞い込んで、市場は大幅に売られる状況となりました。
欧州最大の原発であるウクライナ南部のザボリージャ原発がロシア軍の攻撃を受けたということで、当初は隣接する教会の火災という情報も出たようですが、どうも原発自体も火災となっている様子。
消防隊が消化作業を進めようにもロシア軍に阻まれてうまくいかないという、極めてクリティカルな状況に陥っているようです。
チェルノブイリ原発の悲劇を忘れたのか?
ウクライナと言えば、1986年2月に当時の旧ソ連下でチェルノブイリ原発が事故を起こして凄まじい損害と人的な健康被害を及ぼしたわけですから、36年が経った今でもロシアはその恐ろしさを誰よりも認識しているはず。
それなのに威嚇を超えて、こうした戦闘行動が現実のものになるというのは、まったく信じられない状況に陥りつつあることを示現しています。
足もとのウクライナは国内に15基が設置されていますが、3月2日段階では稼働中の原発は全15基中9基と推定されています。
直近で停止中はリウネ1号、フメルニツキ─2号、ザポリージャ5号、ザポリージャ6号、南ウクライナ3号、ザポリージャ1号ということで、今回、ロシア軍に周辺制圧されているサポリージャの原発の4つが停止中との情報も入っています。
たとえ停止していても、施設自体が爆発を受ければとてつもない放射能放出が起きるリスクがあります。
プーチンはそこまでやるのか、欧州大陸を破滅に導くつもりなのかが、非常に危惧されるところとなってきています。
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