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旧ソ連崩壊後の略奪社会を鎮圧してきたプーチンの胸の内。「行き過ぎた資本主義」に罪はないのか?=田中優

旧ソ連の資産・資源を奪った「オリガルヒ」と戦ってきたプーチン

その人たちを総称して 「オリガルヒ」 と呼ぶ。それで検索して調べるとわかるように、彼らは旧ソ連のすべての資源を奪った。

ウィキペディアには以下とある。

旧ソ連ガス工業省が中心となって、形成された国家コンツェルン・ガスプロムから民営化により形成されたガスプロム・グループや、旧ソ連時代の三つの石油採掘企業から構成されたルクオイル・グループなどである。

これらの類型には、旧ソ連時代からの豊富な地下資源(石油、天然ガス)に関連した大規模企業や軍産複合体などが入る。統一エネルギーシステム、ソ連冶金工業省が名称を変更したノリリスク・ニッケルもこの類型である。

旧ソ連の最大の資源も「オリガルヒ」のものになってしまった。

この資産奪取をひとつずつ抑圧・解放していったのがプーチンだった。 オリガルヒを「詐欺、脱税」などにより訴追・逮捕し、その力を弱めていった。

人々がプーチンを支持しているのはこの点だ。

「自由だが治安が悪い社会」と「治安は良いが不自由な社会」、どっちを選ぶ?

旧ソ連崩壊によって人々が放り出されたのは、こんなギャングが跋扈する社会だった。そこで人々は究極の選択を迫られた。

「自由だが治安が悪い社会」と「治安は良いが不自由な社会」と、どちらを選択するのかということだ。

人々は当然、何よりも「ギャングの好き勝手に殺し殺されない治安のある社会」を選んだ。

しかし、それはロシアでの話だ。かつてソ連だった旧ソ連の地域には適用されない。それが色濃く残っているのが今回のウクライナであり、他の西側諸国と仲良くなってNATOに加盟した国々だった(ウクライナは加盟申請中)。

Next: 「オリガルヒ」と関係が深いウクライナとNATO

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