注目業種 第2位:文具
第2位は文具です。
もうスマホやパソコンの世界なので文字を書いたりしなくなっていると思いますが、一方で業績を見てみると、三菱鉛筆は調子悪いですが、パイロット、コクヨ、キングジムは右肩上がりとなっています。
売上高がそれほど増えていないことから分かるように、文具市場のパイ自体は増えていません。しかし、今から文具に進出してボールペンを作る企業が現れるかというとそれもないと思います。すでに勝ち抜いていて、新規参入が無く価格競争に陥らないという残存者利得がある状態です。一方で、今後まったくボールペンなどが要らなくなるかというとそんなこともないだろうと思われます。
パイロットはフリクションを生み出したりする商品開発力がありますし、コクヨのノートもみなさん使うと思います。キングジムはあの大きなファイルという十八番商品があります。
新規参入する企業が少なくなるほどそれを使う人はこれらの企業のものを買うしかなく、値上げしても売れて、さらに良い商品を開発したらそれが高くても買わざるを得ない、という流れがすでにできているのです。
コクヨはすでに値上げを発表していて、他も値上げを発表してもおかしくないです。値上げすれば、市場自体は縮小していても利幅が大きくなり、利益の成長余地はまだまだ残されています。
一方で株価を見ると、先ほどの調味料と比べてPERは低く抑えられています。やはり市場が拡大しないからでしょう。
しかし、ここで「ROIC」に注目です。ROICというのは、投資したお金に対してどれくらいのリターンがあるかを表したものです。ROICの率で企業が成長していくことになるので、ROICが高い企業は複利的に成長できるということです。
一般的な企業のROICは一桁ですが、パイロットは11%という高い数値となっています。それほど大きな強みを持っているということで、今後も同じような流れになるとしたら、成長が続く企業ということになります。
直近の業績が良いこともあって、パイロットの株価は大きく上昇しています。
コクヨはずるずると下げていますが、値上げを発表したのでこのあたりで良い流れに転換するかもしれません。