注目業種 第1位:お菓子
第1位は「お菓子」です。業績を見ると、明治ホールディングス、カルビー、江崎グリコ、森永製菓、いずれも右肩上がりです。

SBI証券提供
このうちの3社は、すでに値上げを発表しています。
どの企業も2012~2017年あたりで特に伸びていますが、実はこの時にこれらの会社は、価格は据え置いて中身を減らすという「ステルス値上げ」を行っています。
原価を減らして利益を伸ばしてきました。
しかも、このあと実際の値上げも行いました。
なぜこれができるかというと、コンビニの棚を見れば分かるかと思いますが、これらの企業の商品でほぼ埋まっている状態で、定番商品として決まっているからです。
今は原材料価格が上がって当面は苦しい状況となるかと思われますが、それを抜けた先には、価格を下げることはないでしょうから、利益が増える可能性があると考えています。
目先の見通しが明るくないということもあり、PERはかなり低く抑えられています。

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森永に関しては特別利益が出ているので実際には13倍ほどとなっています。めちゃくちゃ低いというわけではありませんが、これまで見てきたところと比べると比較的低くなっています。
カルビーが少し高いですが、カルビーは上場してから絶好調で、一時はPER38倍くらいまで上がったので、今はこれくらいに落ち着いてきているという状況です。カルビーの強みは海外に大きく進出していることもあります。
ROICを見ると、目先の業績の良くない江崎グリコを除けば軒並み10%以上という手堅い状況です。もちろん最初はお菓子を作るのに原価がいくらかかるかが重要でしたが、定番商品があふれる今となっては原価そのものよりもブランド力が意味を成してくることになります。
消費者は継続的に買いますから、それによって投資効率を上げていく企業群です。
株価に関してはいずれも右肩下がりで、少なくとももう高すぎるということはないですし、目先は苦しいかもしれませんが、原材料価格分くらい値上げできるのであれば、恐れることは少ないのではないかと思います。

明治ホールディングス<2269> 日足(SBI証券提供)

カルビー<2229> 日足(SBI証券提供)

江崎グリコ<2206> 日足(SBI証券提供)

森永製菓<2201> 日足(SBI証券提供)
将来的にこれらの企業のお菓子を食べなくなるということはないでしょう。
しいて言うなればコンビニやスーパーのプライベートブランドに持っていかれる可能性は捨てきれませんが、今の業績を見る限りそういった状況は起きていません。