雇用指標は全体的に悪化傾向で雇用市場は頭打ちか
それでは、先に発表されている雇用指標の数字を見ながら、今日の展望を考えていきたいと思います。

雇用指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
全体的に雇用指標は悪化しており、そろそろ雇用市場の加熱も頭打ち感が見られるといったところでしょうか。特にISM(全米供給管理協会)が発表した製造業指数はトータルでは予想を上回る56.1ポイントと予想を大きく上回りましたが、雇用に関しては2ヶ月連続で大きく低下しており、今回は節目である50ポイントを割り込んでいます。
民間のADP社の雇用報告においても、低調な前回を大きく下回っていますし、新規失業保険申請件数もこれまでと一転して増加しています。
今日発表される雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)は+32.5万人増と比較的強目の数字が期待されていますが、これを下回ってくる可能性は割とありそうです。
一方で+10万人増を下回る、マイナスになるという衝撃でもなければ、相場に与える影響は小さいでしょう。
また、平均時給は前月比で+0.4%、前年比で+5.2%となっています。前年比で見るとピークアウト感が出てきていますが、依然として高い水準でこの予想並なら金利が大きく下がることなく、ドルもまずまず堅調な推移でドル円をリードしそうです。
この平均時給が予想を下回った場合は、やや金利が下がってドル安になるかもしれませんが、反発基調にある株式市場の状況を踏まえると、金利低下を好感して株高になりそうで、円安がドル円相場を支えそうです。
しかしながら、平均時給が予想を上回った場合、インフレ継続観測で金利上昇してドル高にはなりやすいですが、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続観測にもつながります。
過度な利上げによる経済のハードランディングの可能性への懸念が高まる可能性がありますから、平均時給が予想を上回った場合は、株安からの円高、今の相場の流れの逆流に警戒しましょう。