「株主」が増えると社会が変わる
みんなが株式を持って『こういう企業が素晴らしい』という社会的コンセンサスができれば、企業も経営をやりやすくなります。
黒田さんが「物価を上げられる状況になった」と言っただけで、叩かれてる場合ではありません。株主的な視点を持ったら、「企業がちゃんと適正な価格を載せられるようになってきた」とポジティブにとらえるべき内容です。
株式を持っている場合、企業が適正な価格を載せられるなら株主である自分も潤うし、社会全体のパイも経済のパイも上がっていく、そういう流れが作られるはずです。
また、素晴らしい企業があったとして、そこに投資した人がお金持ちになれば、それを見た次の世代も良い企業に投資するでしょう。
このことから、私はNISAやiDeCoの拡充は、今後資金流入が続くという意味で、日本市場活性化の起爆剤になり得るのではないかと思います。それが個別の企業で発生してくると、さらに良いと考えています。
もちろん、投資信託を買ったとしても最終的に個別企業を買うことになるため、それも構いません。だとしたら、今度は実の入った日本株に投資するファンドも必要になってくると思います。
まとめ
これまでの内容をまとめましょう。
- 全国民資産が日本株への投資資産所得倍増計画によって上がれば、安定的な資金流入が見込めて株価が安定する。
- 外国人投資家も投資しやすい環境になる。
- 国民が1億総株主で、株主の視点を持って経営や社会に接すれば、やがて経営もやりやすくなり、企業の動きも活性化する。
- 企業経営の質が向上し、よい経営者、あるいは従業員、良い社会に囲まれて、GAFAのような素晴らしい企業が現れる可能性も。
- 最終的な株価はファンダメンタルズ、企業業績であると思っているため、企業業績が上がり、やがて株価が長期的に上昇することで国民全体が豊かになる。
かなり壮大な話をしてしまいましたが、岸田さんのやろうとしていることをポジティブに捉えるならば、こういったことが挙げられます。
私もこのような素晴らしい日本企業を探したいと思っていますし、つばめ投資顧問はこういった社会情勢に一役買えればと思っています。素晴らしい企業を買うということを意識して、これから活動に邁進してまいりたいと思っています。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2022年6月17日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。