資産所得の引き上げは簡単?
資産所得自体を引き上げること自体は、私は難しくないと思っています。
なぜなら、銀行の預金金利がほぼゼロであるのに対し、株式では基本的に5%~6%ぐらいの年平均リターンがあると言われているためです。
配当だけ見ても2%~3%というのはざらにあるため、株式に移行しただけでも、フローの意味での金融所得は確実に増えるわけです。
つまり預金から投資へという流れが進めば、金融所得自体は増えるだろうと考えられます。
総務省統計局が出した家計の金融所得を見ると、利子配当金の部分がいわゆる資産所得になりますが、年間でわずか2.8万円が平均です。
これが倍になっても5.6万円です。たった2.8万円ふやすだけなので、倍にすることは難しくないはずです。岸田総理の掲げる目標は、実は近い将来達成しうるんじゃないかと思います。
本質は有価証券の割合を増やすこと
しかし、年間で2.8万円所得が増えたからといって、正直私達の生活が変わるとは思えません。
本質的な部分では資産所得倍増自体はあまり意味がなくて、個別の家計の中で株式等の有価証券の部分を大きくすることが本筋なのではないかと思います。
実際それを行えれば、金融の世界では当たり前となっている複利効果を得ることができます。
短い期間では2.8万円が5.6万円になるだけかもしれません。しかし、長期に渡って複利効果を得られれば、大きな資産になります。そこが本質なのではないでしょうか。
<米国の成功事例>
それを実現しているのが、米国株です。以下のチャートをご覧ください。
これは対数チャートといいまして、上になるほど幅が狭くなっています。あまり大きく伸びすぎると急角度に見えるので、それを抑制してみせたチャートです。
ずっと右肩上がりが続いているのが米国株で、これはまさに複利効果を発揮している状況だと言えるでしょう。
一方で日経平均は、ずっと横ばいになっています。
これを見る限りは、「ずっと上がり続けるわけではない日本株に投資しても良いことないじゃないか」と思われるかもしれません。
実際にその通りで、現状のまま制度も変わらない・何の状況も変わらないんだったら、私も日本株に投資しようとは思いません。少なくとも、こういったインデックスに投資しようという話にはなりません。
では、なぜ米国は右肩上がりに伸びてきたのかというと、GAFAをはじめとする強い企業が伸びてきたため、特にここ最近は伸びていました。しかしそれ以前に、上がるだけの土壌が米国株にはあったと考えられます。
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