米国株は年金で支えられている
実際にどれだけの資産が積み立てられているのか、金額を見てみましょう。
DBが確定給付年金で、DCが確定拠出年金です。先ほど説明したIRAや401Kを含むものですが、数値が大きくなっているのが分かります。
一部は株価上昇によって大きくなっていますが、当然、積み立てなのでどんどんお金の流入があるわけです。
これによって直近で約30兆ドル(4000兆円)もの年金資産が積み上がっています。そして、驚くべきなのは米国のニューヨークやナスダックを合わせた時価総額が50兆ドルですから、なんと6割は年金資産ということになります。
全てが株式に回ってるわけではないので、完全に対応するものではありませんが、多くは株式に回っているため、半分近くを年金の資金によって米国の株式が支えられているわけです。
年金制度の拡充によって米国株は上昇してきた
一旦先ほどのチャートに戻ってみましょう。
このように、ところどころで年金制度が拡充されたことで、積み立てる人がどんどん増えたわけです。結果、株式市場に資金が流入してきて、米国株が大きく上昇する土壌が出来てきました。
結論を言いますと、米国株は当然米国の企業が強いということと同時に、その土壌として401KとかIRAがどんどん拡充されてきた結果、これだけ上がってきたわけです。
米国のこれら制度を利用した人たちは豊かになり、それを見た人も「自分もやっておこう」と制度を利用するため、さらにお金が入ってくる流れになりました。
<日本は投資に手を出しにくい土壌?>
米国とは対照的に、日本はバブルで失敗して「もう株に何か手を出すな」という経験をしているため、投資に手を出さず結果預貯金だけが半分以上に膨れ上がってきた流れがあります。
このため、日経平均株価もバブル時の高値3万8957円というところを未だに超えられず、全体で見たらほぼ横ばいという状況になっています。ここが米国株と日本株の大きな違いです。