米国株が上昇してきた土壌とは何か
その土壌とは何かというと、下記の制度にあります。
- IRA
- 401K
後程解説しますが、この2つの制度です。
まずは1974年にIRAが開始され、78年には拡充されています。そして1981年には、私たちにもなじみ深い、確定拠出年金、401Kが開始されています。
さらに、97年にIRAの別制度となりますロスIRAというのが導入されました。限度額引き上げも行われていまして、この結果米国株が上昇してきた経緯があります。
これが米国株を上昇させるにあたって、非常に重要な役割を果たしています。では次の項目で、401KとIRAについて解説します。
<401Kとは何か>
まず401Kは我々にもなじみのある「確定拠出年金」です。
企業やそこで働いてる人が年金を積み立てて、その積み立てたものを投資で運用します。投資信託ももちろんですし、現金で置いておくこともできます。
また米国の場合は、401Kで個別株にも投資できます。投資できる年間上限額が334万円、2万500ドルもあります。
日本だとiDeCo(個人型確定拠出年金)よりも投資できる額が大きく、企業型で5.5万円となっています。年間にすると66万円で、やはり401kの方が金額も大きいです。
<IRAとは何か>
さらに、IRAとは『Individual Retirement Accounts』の略で、iDeCoに近い制度です。
個人がそれぞれ退職のための非課税口座があり、給与をそこに積み立てれば、まず積み立てた分は所得控除になります。これはiDeCoと一緒ですね。
所得控除税金を少なくできて、利益に対して一定期間は非課税になります。それで退職した後、60歳以降に引き出せるというものになっています。
年間上限が6,000ドル(日本円で80万円)です。日本では厚生年金がある人だったら年にして27.6万円が上限なので、やはり日本より大きい金額です。
さらにロスIRAというのがあります。これの場合、所得控除はできませんが、受け取る時が非課税扱いになります。
これは日本でいうNISAに近いかもしれません。NISAの年金版と言っていいんじゃないかと思います。
このように、米国では年金のための様々な税制優遇制度があります。税制優遇はみんな使おうと思いますから、積み立てによって金融資産が自動的に膨らんでいくわけです。
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