そもそも統一教会とはどんな宗教団体なのか
この統一教会、現名称「天の父母様聖会 世界平和統一家庭連合」は1954年、韓国ソウルで文鮮明により創設されたもので、70年近く経過した現在では194カ国で宗教活動を行うというなかなかの規模の宗教団体にのし上がっています。
日本でも1959年から活動を開始しており1964年には国内で宗教法人格を取得しています。
日本では70年代後半から80年代にかけて原理研究会・通称原理研と呼ばれる非営利団体が文鮮明が提唱する“統一原理”を研究するサークル活動を都内の大学で積極展開した時期があり、私もその名前を聞いたことがあります。
迂闊に入会してすっかり取り込まれた輩も相当いたようですが、当時から統一教会が背後にいるから気をつけてという話はかなりでまわっていたことを記憶している次第です。
国内では霊感商法の被害が相当な数と金額になっておりますが、宗教行為のプロセスということでいうとなかなか摘発できないのもまた事実のようで、合同結婚式に多くの日本人が参加し、昭和のアイドル桜田淳子さんまで結婚したことも、国民に相当な衝撃を与えることとなりました。
この集団は、韓国ではひとつの財閥として認識され実に様々な事業を展開しており、もはや宗教法人としてよりも財閥企業として活動しているのは明白。その全容を把握するのには相当、苦労させられるほどの多角的展開を遂げています。
自民党との関係も極めて緊密か
注目されるのは自民党とこの宗教団体の関わりです。
実は1968年に分鮮明が反共産主義政治団体「国際勝共連合」を日本に設立した際に、全面協力したのが安倍元首相の祖父にあたる岸信介とのこと。自民党との付き合いもすでに50年以上で、世襲議員として総理大臣にまでのぼりつめた安倍氏ともタダならぬ仲であることが見えてきます。
この関係は安倍氏のみならず、自民党の派閥「清和会」とも相当な蜜月関係が構築されているという指摘が多く出てきている状況です。
安倍元首相はFFWPU(旧統一教会)系イベントにおいて今年も祝賀メッセージをビデオ出演して堂々と行っており、その親密度は驚くほどあからさまな状況になっている点にも驚かされます。
政治資金収支報告書にはどこにも名前が出てこないようですが、この宗教団体からはそれなりの資金提供や選挙の集票サポートが続いていたことは、安倍氏にとっては切っても切れない関係になっていたことが伺われます。
まあ、モリ・カケ・サクラという3つの問題をとっても、法律違反を繰り返して“仲間内資本主義”を堂々と前に進めたやりたい放題の首相だったわけですから、こんな新興宗教との関わりなどは「お茶の子さいさい」の事案だったのかもしれません。