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米国債は今がお買い得?国債入門者が注意したい“利率”と“利回り”の違いと、購入前の4つのチェックポイント=田中徹郎

コロナ直後の米国債は0.7%、今の金利はお得なのか

さてその前提で、さきほどの債券です。

・利率2.75%
・利回り3.289%
・販売価格99.48ドル
・償還日2033/8/31

冒頭のように11年後に満期が来る銘柄ですが、保有期間を通した“利回り”は3.289%にもなります。

債券の価格は日々刻々変動していますが、私たちが買った瞬間にこの“利回り”は確定するのです。

言い換えれば保有期間中に毎年支払われる利息の額と、満期時点で支払われる本体価格(100ドル)が決定されるということです。

しかも債券はすべて、満期まで持てば(発行体が破綻しない限り)、必ず額面100ドルで償還されます。

現在のように金利が高い時期に長期債を買いますと、その期間中、ずっと高金利を享受できますし、逆に低金利時に長期債を買いますと、満期まで延々と低い“利回り”に我慢しなくてはなりません。

この差は大きいです。

ご参考までに、つい2年半前のコロナ直前では、アメリカの10年債利回りは0.7%ほどに過ぎませんでした、あのころアメリカの長期債を買った人は、さぞかし悔しい思いをしていることでしょう。

逆に現在のような高金利下では、アメリカ国債は良い投資先になりえます。

米国債、購入前に注意したい4つのポイント

ただしアメリカの国債を買う際に、いくつかご注意いただきたいことがあります。

一つ目はアメリカの財政状態への懸念です、日本にくらべればまだまだ健全ではありますが、昨今アメリカの財政も徐々に悪化しつつあります。

万一のデフォルトがないとは言い切れません。

二つ目は為替の変動です。

足元は円安が進んでおり、現在のドル円レートは1ドル=139円代半ばですが、償還金や利息の支払いは、すべてドル建てです、受取時に円高に戻っていれば、円ベースの収益率は下がります。

三つ目は証券会社の店頭でなかなか買えないという点です。

証券会社からみれば、アメリカ国債は手数料が稼げる商品ではありません、彼らからみれば債券型投信を売っていたほうがよほど儲かるのです。店頭に米国債を買いに行って、ほかの商品を買わされたというお話も聞にします。

四つ目はアメリカの金利の上昇です、アメリカの金利がさらに上がるとどうでしょう、そこから見れば3.2%ですら低金利になっているかもしれません、「急いで買って失敗した」という懸念もあるのです。

このような点に対する注意は必要ですが、アメリカの金利がここまで上がってきますと、ペーパーアセットのなかでの分散先として、検討の余地があると思います。

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image by:metamorworks / Shutterstock.com
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一緒に歩もう!小富豪への道』(2022年9月1日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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