成長戦略
成長戦略としては、今の話の延長線上になります。
<都心集中出店加速>
出店をしていかないといけない。
基本的にはこれまでのように、都心に集中出店していくことが考えられます。例えば都心部の成城石井の出店状況を見ると、当然小田急線の辺りから始まって新宿や、東京駅周辺には結構積極的に出店しています。
ただ、例えば品川の辺りなどは、まだほとんど出店できていません。あと高級マンションが多いと言えば、江東区豊洲の辺りとか、今晴海などの開発も進んでいます。
高級住宅街であまり出店していないところがあるのかなと思います。こういった観点でまだ都心の出店する余地は十分にあると思います。
<地方都市進出>
また今度は地方に進出することもあると思います。今、関東137店舗、近畿38店舗ということで、この辺を中心に出店しています。
まだ九州や北海道には出店していません。
基本的には大規模な都市が中心。人口密度が高いところが主なターゲットになってくると思います。
そういう意味では例えば福岡、札幌、仙台、などはまだ出店余地があるのではないかと思います。
もちろんまだ(成城石井が)認知されていない。九州に住んでいる人からしてみれば「成城石井って何?」という感じになるかもしれないので、地道な努力は必要だと思います。
しかし1回上手く出店してしまえば、高級スーパーとしての地位を確立していけるのではないかと思います。実際に対抗するようなライバルで、ぱっと思いつくところは特にありません。
ゆえに上手くやれば出店が成功するのではないかと考えられます。
<卸売>
そして3つ目の成長戦略の可能性として考えられるのが卸売です。
先ほど素晴らしい商品を提供していると言いました。これを成城石井の中だけでやるのではなくて、他の既存のスーパーなどに卸して売ってもらうというアイディアもあるわけです。
店舗を出すほどではないけど、商品を届けるにはそんなに支障がない場所なども考えられます。
例えば私は千葉の袖ケ浦に住んでいますが、あるスーパーに行って驚いたのが、あるコーナーがあってそこに成城石井の商品が置かれてるのです。「おいおいプライドも何もないな」とちょっと思ったんですが、とはいえそういった卸売事業をやっていると気づけたのが発見でした。
先ほど地方出店を話題にしました。
例えばまだ成城石井のことを知らない土地で、ある場所を借りて、まずは先に卸売で成城石井の商品の認知度を徐々に高めていく。そしていよいよ店を出店することになれば、リスクを下げながら出店戦略を担っていけるということが考えられます。
この成長戦略というのは、上場が承認されて、いよいよ上場するというときになったら、上場時の目論見書段階で紹介されることになるでしょう。それを楽しみに待っていたいと思います。
今年2022年度中に上場すると思われている成城石井。ぜひ今からチェックして、実際にお店も見ていただければと思います。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2022年09月28日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。