同じものを高く売れる!ポテトサラダの例
例えば「ポテトサラダ」431円(税込)があります。普通のスーパーだったら、200円程度で売られているかと思います。それが431円です。
「高いんじゃないか」「やはり成城石井、お高くとまってるな」と感じるかもしれません。実はこれが評判が良いのです。
なぜかと言うと、機械を使っていないのです。人が手で皮をむいてそこに旨味を閉じ込める。
逆に言うと「そこまでしないと美味しいポテトサラダは作れない」というこだわりを持って作っているわけです。当然高いんですが、どういうところに成城石井が出店してるのかというと、都心の(まさに成城から始まっているのですが)セレブが多い場所、駅前、それから高級マンションが近いところに、どんどん出店しているわけです。
当社のアナリスト佐々木くんが、実際に見た話を紹介します。成城石井に来ているおばちゃんが、他のお友達にすすめてるのだそうです。
「このポテトサラダは自分は真似できない。」「美味しいからぜひ買ってくれ」と口コミで勧めている現場を目の当たりにしたというのです。
おそらくサクラではないと思います。そういった現場を目の当たりにするぐらい、この成城石井の商品は素晴らしいという状況なのです。
さらに言えば、これだけ創業から同じポリシーのもとやってきたが故に、多くの人(特に都心に住む人)にとって
「成城石井=高級スーパー」「ちょっと高いけど、美味しいものが食べられる」というポジショニングが確立しているということなのです。だから、少しいいものを買いたいと思ったら、成城石井の看板を見て、そこに飛び込むという動きができているわけです。
コロナ禍の巣ごもり需要が追い風に
これが大きく花開いたのがコロナ禍です。
コロナ禍で、外食がなかなかできなくなりました。自宅で食事を取るケースが多くなりました。
しかしなかなか作ったりするのも大変だということで、世の中テイクアウトが流行ってきました。一方で、それまでテイクアウトをやってなかったお店が、いきなりテイクアウトをやろうと思っても、テイクアウトにふさわしい良いものを作るいうのは、なかなか簡単ではありません。
(それらのお店と比較して)成城石井に行ったら美味しい惣菜が食べられるということになれば、みんな自宅で食べるために、近くにある成城石井に行くというのは、自然な流れとして考えられるわけです。
実際に先ほどの業績のところに戻りますと、コロナ禍(2020~2022年)で売上高が大きく伸びて、利益率も向上しています。
まさに「時代が、ようやく成城石井のコンセプトに追いついてきた」というところもあるのではないかと思います。やはり素晴らしい企業というのは、こうやって同じポリシーを貫いて、そこをひたすら磨きをかけることをやっている。
こういった企業こそが素晴らしい企業。長期投資にふさわしい企業だと言えるわけです。
このような流れで業績を拡大させてきて、いよいよ上場しようというところに至ったわけです。