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FTX破産、暗号資産をまとめて焼け野原に。この「ひどい年」に投機するのは自殺行為だ=鈴木傾城

仮想通貨の将来性は、今になってもはっきりと見えない

株式の場合は、その銘柄のビジネスが利益を出しているのかどうかを見れば価値はおおよそ推測できる。今が割高なのか割安なのかは、配当やキャッシュフローの規模と株価を比べれば、だいたい推し量れる。

PER(株価収益率)などはそうした指標のひとつでもあるが、株式は企業の売上や利益やキャッシュフローや将来の売上予測などで、さまざまな観点から現在価値が導き出される。

どこに着目するのかは、それぞれの投資家次第なのだが、株式の価値は説明できる性質のものでもある。利益が莫大に生み出している企業の株価でも、2022年のように相場環境が悪ければ、株価も自ずと低迷する。

長期投資家にとっては、そういう時期は配当をもらいながら過ごせばいいだけの話であって難しいことは何もない。

しかし、仮想通貨は価値がどこにあるのか、いくらなのかまったく分からない。暴落した仮想通貨を長期保有してもそれが報われるのかどうか分からない。コインは何も生み出さず、したがって価値を計るための基準が存在しない。

端的に言えば、人気があるかないかで価格がくねくねと上下するだけのものだ。

それでも「将来はデジタル通貨である仮想通貨が社会を変える」という理想論みたいなものはある。このような理由で仮想通貨の将来を確信している人が、仮想通貨を支えているのである。

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しかし、こうした仮想通貨の将来性は、今になってもはっきりと見えてこない。だから仮想通貨の相場は、あたかも躁と鬱が交互にやってくるように、激しいボラティリティで上下することになる。

誰も正確な価値を計れないために、楽観と悲観の幅が凄まじく大きくなる。

2022年は「ひどい年」だと皆がわかっていた

2022年は投資環境が凄まじく悪化している年であり、社会環境の悪化からそれは分かっていた。だから、今年は金融資産に投資するのは非常に割りが合わない年であり、何かするよりも何もしない方が合理的だった。

金融市場では周期的に巨大な暴落がきており、それは往々にして利上げが契機となっている。暴落の後には景気後退《リセッション》がやってくることも多い。2022年はまさにそうした「ひどい年」の1つでもある。

現在、アメリカは中間選挙の真っ只中なのだが、共和党が勝とうが民主党が勝とうが、今となってはもう景気後退《リセッション》を避ける手立てはないので、来年の実体経済は極度に悪化していく。

Next: GAFAも凋落か。最も大きなダメージを食らっているのはハイテク企業

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