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FTX破産、暗号資産をまとめて焼け野原に。この「ひどい年」に投機するのは自殺行為だ=鈴木傾城

仮想通貨の将来性は、今になってもはっきりと見えてこない。だから仮想通貨の相場は、あたかも躁と鬱が交互にやってくるように、激しいボラティリティで上下することになる。誰も正確な価値を計れないために、楽観と悲観の幅が凄まじく大きくなる。そしてどうなるのか……(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)※この記事は音声でもお聞きいただけます。

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

ビットコイン、1年で半値以下に

2022年年初で540万円を超えていたビットコインが、爆下げ、爆下げ、爆下げの嵐に見舞われていて、いまや250万円を切るところまで転がり落ちてしまった。実に53%もの暴落、半分以下となってしまっている。

ビットコインは2021年11月には700万円を超える暴騰となっていのだが、世界的な物価上昇やインフレや米FRB(連邦準備制度)の利上げが始まると、見る見るうちに値を消していった。

ビットコインだけではない。すべての仮想通貨がひどいことになっている。

仮想通貨取引所FTXトレーディングが破産申請

そして、仮想通貨の取引所FTXトレーディングが流動性危機に見舞われた。一時、取引所最大手のバイナンスが買収する話になったのだが、制御不能であるとして撤回した。

FTXトレーディングは1.1兆円の追加資金がなければ破産する。金融関係者はすでにFTXトレーディングを見放しているような状況だ(※編注:原稿執筆時点2022年11月10日。FTXは11日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を発表しました)。

利上げが続く今の時代、人々はわざわざ訳の分からないものに賭けてリスクを取らなくても、銀行に黙って定期預金でもしていたらいい。大勢がそうした合理的な金融行動を取ることにって、仮想通貨全般から資金が急激に抜けていった。

2022年の金融業界の激変は仮想通貨さえも焼け野原にしてしまっている。すなわち、仮想通貨は低金利時代の徒花だったのである。

そもそも、仮想通貨は価値があるのかないのか今もって誰にも分からない。仮想通貨は文字通り「価値も仮想だ」と断定する人もいれば、「仮想通貨の未来はこれからだ」と逆の断定をする人もいる。

仮想通貨の価値を支えているのが「ブロックチェーン」の技術だが、ブロックチェーンが素晴らしい技術だとしても、仮想通貨が素晴らしいのかどうかは本当に誰にも分からない。

Next: 仮想通貨の将来性は、今になってもはっきりと見えない

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