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非正規雇用者が2023年「景気後退」で最も早く最も深く傷つく。景気の調整弁として社会が切り捨て、貧困に落ちたら這い上がれない=鈴木傾城

コロナ禍では非正規雇用者が切り捨てに遭って生活困窮者が続出したが、彼らの苦境は終わったわけではない。2022年に入ってから、全世界でエネルギー危機や物価上昇が加速していったのだが、こうした経済情勢がいよいよ2023年には大きな景気後退を招くことになる。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)※この記事は音声でもお聞きいただけます。

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

「アンダークラス」を生み続ける非正規雇用

1年を通じて働いているのに、平均年収が186万円程度の人たちを社会は「アンダークラス」と呼ぶ。

コロナ禍でダメージを受け、物価上昇でダメージを受け、重税でダメージを受ける中、すでにアンダークラスは日本にも約1,200万人ものボリュームで存在しており、社会の一大勢力となってきている。

当初アメリカで見られたこのアンダークラスは、日本でも非正規雇用が拡大したことによって、小泉政権以後どんどん膨れ上がっていくことになった。

2002年から非正規雇用者の増加はまったく止まっていない。

第二次安倍政権が始まって政治が比較的安定していた2013年から2020年も、非正規雇用は静かに増加し続けていた。

使い捨ての非正規雇用者は、もちろんこれからも増える一方となる。

「景気の調整弁」として大量に切り捨てられる

それは企業の立場から見れば分かる。

非正規雇用で企業側に有利な仕組みができたのに、なぜわざわざ正社員を増やしてコストを上げなければならないのか。企業は、景気が悪化すればいつでも非正規雇用者をリストラできるのだから、この仕組みを捨てるのはあり得ない。

コロナ禍ではこの非正規雇用者が切り捨てに遭って生活困窮者が続出したが、彼らの苦境は終わったわけではない。

2022年に入ってから、全世界でエネルギー危機や物価上昇が加速していったのだが、こうした経済情勢がいよいよ2023年には大きな景気後退(リセッション)を招くことになる。

日本でもリセッションの悪影響が直撃すると、企業はこの「切り捨てる」ためのシステムを次々と発動させていく。岸田政権がこれに対応できるのかどうかは誰にも分からない。

リセッションで最も早く最も深く傷つくのは非正規雇用者

欧米は執拗なインフレ、中国はゼロコロナ政策による経済停滞、ロシアは戦争による疲弊で、2022年はひどい年になった。

2021年までは「我が世の春」を謳歌していたハイテク業界も、2022年に入ると様相が一転してクビ切りの嵐となっている。

しかし、これは景気後退の「始まり」なのだ。利上げはまだ続くし、高止まりするというのはFRBも言っている。リセッションの確率は90%以上で、世界がリセッションに入るのであれば、日本も巻き込まれて当然だ。

だから、非正規雇用者は2023年も苦境が続くことになる。リセッションで最も早く最も深く傷つくのは非正規雇用者なのである。

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