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日本の給料が上がらないのは労働者のせい。我慢と責任感で働き続けても生活は楽にならない=栗原将

光熱費や食品をはじめあらゆるものが値上りしていますが、日本の平均賃金は30年間ほぼ横ばいとなっています。なぜ給料は上がらないのか。その原因は労働者側にもありそうです。(『海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記』栗原将)

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海外では看護師や救急隊員もストライキする

先日、イギリスの看護師がストライキを行った、という報道がありました。

記事によると、ストライキの影響で、一部の手術が延期されたり、救急隊員の業務の一部を
イギリス軍が代行する事態になったとのことで、ちょっと日本では考えられない事態です。
※参考:物価上昇の英 看護師がストライキ 救急隊員も計画(2022年12月21日配信)

日本の“常識”では、人助けのためにやっているから「ストライキなどもってのほか」という考えでしょう。

新型コロナがピークだった頃、家族が看護師をしている知人と雑談になった時に言われたのが、「人助けのために看護師になったので、労働条件が不満だからと言って、退職するなど考えられません」という内容でした。

どうやら、日本ではこの考え方が常識というか大勢になっているようですが、私の考えは異なります。

誰かが被害を受けないと改善されない

誰かが不便や被害を被る状態が発生しないと、事態は改善しない。決して美しい世界観ではありませんが、これが現実と思います。

働く側にとって労働条件が不満でも、経営側や顧客が困る状態(ただし、スト等で合法なもの)を作り出さない限り、改善はほとんど期待できないでしょう。

仮に、今の日本で、看護師さんたちが大量に辞職したらどうなるか?

確かに、一時的には診療が受けられないなどの事態が起きるでしょうが、一方で、それによって既存の看護師の給料が下がるということは考えられず、上がる可能性が高いと考えます。

我慢して働く日本人は偉いのか?

日本の文化の利点でもあるのですが、今まではお願いベースで何とかなってきたことで制度疲労を起こしていて、一時的にでも「誰かが困る」状態にならない限り、事態は改善しないと思います。

特に給料については、上がらないと文句を言いながらも、ほとんどの人が転職せずに同じ会社にいる状態です。これでは変わらないですね。

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image by:Gorodenkoff / Shutterstock.com

海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記』(2022年12月21日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。

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