「人材派遣」「外国人技能実習生」の導入で人件費ダウンを図り続けるよう自民党に命じたのも経団連
「人材派遣」などと称し、労働者の賃金を3~4割も抜いて儲ける、本来労基法で禁じられていたはずの「中間搾取」の労働者派遣事業も経団連の自民党への圧力で実現したものです。
「使い捨て労働者」を求める産業界からの強い要請で、自民党政権は、1986年に「労働者派遣法」を制定しました。
これが、当時から「業務請負」と称して偽装派遣を行っていた違法営業の法人を救済することとなりました。
当時、違法営業を行っていた現在の大手派遣会社に連なる企業などは、建前上は派遣でなく「業務請負」と称し、本来は派遣先の指揮命令下においてはならないのに、実際は野放しでこうした「偽装派遣」をひろく行っていたわけでした。
しかし、労働者派遣の法律ができたことで、これで堂々と大っぴらにピンハネ業務が合法的に認められたのです。
つまり、この労働者派遣の合法化が戦前の「タコ部屋奴隷労働」をもたらしてきた「中間搾取」を解禁させた天下の悪法の始まりだったのです。
当初、表向きは、13業務に限った専門性の高い仕事にのみ派遣労働を認めるという建前でスタートしましたが、その後の改悪で何でもありの「派遣労働者市場」を作ってしまいました。
結局1999年には、派遣適用対象業務も原則自由化され、2004年には製造業への派遣まで認められるようになります。つまり、事実上すべての業種で派遣が解禁されたのでした。
もっとも、リーマン・ショックまで右肩上がりで売上アップを続けたこの業界も、2008年のリーマンショック前には7兆8,000億円のピークをつけてのち減少傾向をたどり、現在では、ほぼ6兆円前後での規模の推移となっていきます。
当初は専門性の高い業務のみの建前の派遣労働から、実際は抜け道だらけの法改悪で、今や雑用業務までとやりたい放題になってきたのです。
日本人の賃金ダウンをもたらしてきた元凶が「労働者派遣制度」
ゆえに日本人の給与が30年近くも上がらなくなってきました。派遣労働者を雇用の調整弁にできて便利だったからです。
不況になれば、直ちに首を切れる派遣労働者は、企業にとっては、カンタンに首切りできない正社員を食わせていくためにも、組織の中に階層的な労働者差別があったほうが重宝できるからです。
派遣先の企業にすれば、「交通費ナシ」「賞与ナシ」「退職金ナシ」「福利厚生ナシ」「社会保険ナシ(今は制度導入した)」の人件費のかからない派遣労働者ですから、これは戦前のタコ部屋奴隷労働に先祖返りさせた制度といえるのです。
そもそも、この労働者派遣の業界は、スタート時点から違法のオンパレードでした。
「禁止業種への派遣」
「無許可・無届け営業」
「偽装請負」
「二重派遣」
「女子の容姿のランク付け開示」
「派遣先への履歴書開示」
「派遣先企業への事前面接(会社訪問の名目で実施)」
「マージン率の非開示」
こんな悪徳業態の企業が堂々と上場までしているのですから、笑止千万なのです。
アルバイトやパート、契約社員など、有期雇用の非正規雇用労働者は、今や労働者の4割近く(20年2,090万人)にのぼり、そのうち派遣労働者は、6.6%(同138万人)を占めます。
この労働者派遣事業だけでも、売上6兆円規模です。そこから3割~4割もの「中間搾取」ですから、1,800億円から2,400億円もの粗利益を労働者派遣業者は得ています。
しかも、ピンハネ業者の分際で、6兆円の売上高に対して営業利益率は5.9%も得ているのです(厚労省調べ)。こんな労働者派遣は禁止すれば、この分だけでも、労働者の収入アップがもたらされるでしょう。
派遣労働を認めるならば、正社員より4割から5割の賃金アップを行うべきです。いつ首切りに遭うかもわからないのですから。その分の保証は絶対必要です。
こんな中間搾取を許す労働者派遣業はただちに禁止すべきなのですが、政治献金のエサをくれる経団連の自民党への命令ですから、禁止できません。
老後に年金が少なく、貧困老後になる人々をわざわざ作り出す愚の骨頂の政策にもかかわらず、旧統一教会の反日に協力してきた自民党は、とことん罪の意識すらもなく、これでも政治を司ってきたつもりなのでしょう。
何といっても、賃金をピンハネして儲ける企業の存在は絶対に許すべきではないのです。
不況になって派遣業者のダンピング競争の犠牲になるのは、いつも派遣労働者です。しかも弊害はそれだけではなく、正社員(正規雇用)の職さえも減らし、正社員たちの賃金押し下げ圧力さえもたらすからなのです。