投資して良いのか?
さて、最後に上場来の株価の推移を見てみましょう。
出典:株探
フィンテックブームに押されたことや、売上高の拡大に伴って株価の上昇が起きていることが分かります。
さらに、目先上昇している理由はインボイス制度への期待もあるかもしれません。しかし、通期決算を受けて、期待が剥落し株価が下落する可能性もあります。
また難しいのが利益が出ていない以上、PERを基準にした割高・割安の評価ができないことです。従って、市場の成長性と競合状況から判断したいところです。
市場は成長していますが、競合他社も多い。一方で大きいサイフを持っている大企業には参入しづらい現状があります。
そして、赤字を容認しながら広告宣伝を打たなくては売上が伸びていかない…この状況は成長性から見て割安とは言えないと思います。
この状況で、逆転黒字を目指すには何をしたら良いでしょうか?
例えば、M&Aで競合他社を吸収しながら、開発・広告宣伝コストを下げる方法があります。あるいは値上げも考えられます。
しかし、M&Aの資金は調達できるのか?値上げしたとしても顧客が離れないのか?どんな策をとったとしても、大きな問題にぶつかると思います。
成長性の観点で割安とは言えず、利益を稼げる状況ではない企業に、わざわざ投資する必要はないと考えます。
現在、マネーフォワードの株式を保有している方は、現状黒字化する可能性は不透明であり、財務状況も決して良くはない、ということを把握するべきでしょう。それらを踏まえて、他の会社へ投資することも検討すべきです。仮に黒字決算を出した際には、再度購入しても良いかもしれません。
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2023年9月22日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。