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まだ割安?「エヌビディア」株は今からでも買いか。長期投資家に必要な株高の“裏”を見抜く力=栫井駿介

GPUのデメリット

<価格が高い>

ここで気をつけたいところは、価格が高騰しすぎているということです。

価格が上がっても買いたいという人ももちろんいるでしょうが、いくら高くても買えるお金持ちの企業はそう多くないと思われます。

例えばスタートアップの企業で、今AIを開発して市場に投入できれば将来儲かるかもしれませんが、何兆円という単位の世界になってしまっているので、普通のスタートアップ企業では太刀打ちができません。

さらに、物を作れば儲かることが確定していれば良いのですが、AIの世界も競争にさらされていて、そもそもAIを使ったことがない普通の消費者や企業がいきなり大枚をはたいてAIを買おうとするとは考えにくく、一旦待つという動きになるのではないかと思われます。

 

GPUは資金を潤沢に持った大手企業しか買えない価格になっていて、OpenAI、Microsoft、GoogleといったところがGPUを買いあさっている状況だと考えられます。

スタートアップとしては、GPUを直接買うよりもOpenAIにAPI接続してChatGPTを使った方が低コストでできます。

今世の中にあるAIのサービスのほとんどはOpenAIのChatGPTと接続してクラウドを使って行われています。

そのクラウドのサーバーにはGPUが使われているのですが、サーバーを買っているのがOpenAIやMicrosoft、Googleという大手企業ということになります。

 

今はMicrosoftとGoogleが競って投資をしていますが、もしこの投資がストップしたら、高いGPUを買える人がいなくなってしまい、価格が下がってしまいます。

価格が下がると当然エヌビディアの儲けは続かないということになります。

<電力消費量が多い>

世の中では”グリーン”が提唱され、電力消費を抑えなければならない状況ですが、GPUを動かすためには大量の電力が必要で、かつ、サーバーを冷やすための冷却装置にも電力を使います。

かつて中国で仮想通貨のマイニングのし過ぎで電力が足りなくなった時と同じようなことがAIの世界でも起こるのではないかと懸念されています。

<エヌビディア依存からの脱却>

MicrosoftやGoogleからすると、GPUをエヌビディアに握られている状態は決して良い状態ではありません。

どうせ自分たちが使うのであれば自分たちで作った方が良いのではないかと考えるかもしれません。

MicrosoftやGoogleはエヌビディアのお客さんでありながら実はライバル関係にもあると言えます。

Next: 勢いが止まらぬ生成AIブーム……問題はマネタイズ?

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