AIのマネタイズ問題
今でこそMicrosoftとGoogleでAI競争を繰り広げていますが、その先にお金を稼ぐ手段がないと開発は停滞しがちです。
生成AIが盛り上がって、ChatGPTの導入数も急増していると言われますが、果たしてそれが一般にも広がるのか疑問があります。
新しい製品や市場が現れた時に、いち早く飛びつくイノベーター・アーリーアダプターといった層から、アーリーマジョリティー・レイトマジョリティーという一般層に広がるまでにはかなり時間を要し、途中にキャズム(断絶)があるという「キャズム理論」があります。
今AIが盛り上がっていますが、関係ない人にとっては全く関係ないという状況です。
逆説的ですが、AIを使うためには頭が冴えていなければならず、誰でも使えるという時代ではまだないと思われます。
そうなると、キャズムが発生した時に、生成AIやGPUに対する需要が一度落ちるのではないかと考えられます。
インターネットの世界を振り返ると、2000年頃にドットコムバブルということでインターネット関連の企業が大きく期待されて株価も上がったのですが、その後バブルの崩壊で株価は大きく下がりました。
インターネットも当時は急速に普及するかと思われましたが、特に高齢者などはすぐに使うということはなく、20年以上経った今、ようやく高齢者もスマホを持ってインターネットに接しているという状況になりました。
AIに関しては、最初の勢いがすごかったこともあり、もっと早く普及するのではないかという期待もありますが、少なからずキャズムが発生することはあると思います。
本当に普及するまでに何が起こるかは分かりません。
ドットコムバブルの時も様々なインターネット企業が勃興しましたが、結局残ったのは一部の企業だけでした。
半導体市場に置き換えると、今はエヌビディアの一人勝ちですが、それに対して手を打ってくる企業も出てくると思われます。
消費電力の少ないGPUであったり、話題となった「光半導体」などGPUに代わる物をエヌビディア以外のところが開発したら覇権を取っていく可能性は十分にありますし、GPUに限らずいろいろなものが出てくる可能性があります。
目先ではエヌビディアのGPUを使わなければならないことは間違いないですが、本当に盛り上がってくる時に何が使われるのかということは、正直分からないということになるのではないかと思います。