為替相場は介入ショックを経て、引き続き緩い相場を継続中です。ドル円はそんな中でも日々、少しずつ戻りを試すというリハビリ状態が続いています。そして市場では、本邦財務省の神田財務官の今回の介入手法について、かなり斬新で効率的なものであったという評価が高まりを見せています。(『 今市太郎の戦略的FX投資 今市太郎の戦略的FX投資 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2024年5月9日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
神田財務官の「ステルス介入」を評価する声
為替相場は介入ショックを経て、引き続き緩い相場を継続中です。ドル円はそんな中でも日々、少しずつ戻りを試すというリハビリ状態が続いています。
そして市場では、本邦財務省の神田財務官の今回の介入手法について、かなり斬新で効率的なものであったという評価が高まりを見せています。
というのも、ステルス介入のやり方が過去にはなかったもので、相当な長期戦を行ったことが驚きをもって捉えられているから。今後こうした介入の手法が定着することに、投機筋なども相当警戒をはじめているようです。
もちろん公式的には財務省は金額・介入時期にいたるまで何ひとつ事実を認めていませんから、市場が勝手に推測して評価しているだけにすぎません。
しかし長年為替にかかわってきた財務官のもとでは、ここまでやれるのかという驚きの評価の声も上がってきているようです。
一定の水準から相場を上げさせないステルス介入
最初の一撃の介入というのはいつもながらのもので、ある意味では定番のやり口。国内銀行数社を利用して無理やり値を下げる…というやり方を実施しています。
相場はいったん155円台まで下落したあと、買い戻しに転じており、あっという間に158円まで値を戻しました。
しかし、そこからが凄かったのは、恐らく国内銀行1行ないし2行を交代で担当させ、狙った水準まで戻したタマを徹底的に叩いたことで、市場で想定されていた介入よりもはるかに長い10時間以上の水準引き下げ介入が実施されたことです。
果敢に買い向かった投機筋は買っても買っても上げることができなくなり、結局、自律的に売り戻して撤退を余儀なくされました。
そして相場は長く下落する展開となり、結果的に驚くほど下値を模索する展開となったことは言うまでもありません。
財務省日銀からオーダーを受けただろう邦銀も相当厳しい戦いを強いられたことは想像に難くありませんが、なんとかその使命を果たしたことが窺われる状況となっています。
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