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牛角「女性半額」炎上も恐れずに続けるべき理由。令和時代の特定層向けキャンペーンの難しさ=澤田聖陽

焼肉チェーン大手「牛角」が9月2日からスタートした女性限定のキャンペーンが、SNS上で大きな議論を呼んでいる。通常3,938円の食べ放題が、女性に限り半額の1,969円になるこの施策について、「男女差別ではないか」との批判が一部で噴出。しかし、企業側は「男女間の食事量の違い」に基づく合理的な判断だと説明した。令和の時代において、特定層を対象としたキャンペーンがいかにリスキーかを考えるべきだろう。今回の女性限定キャンペーンが明らかに差別かと言えば、筆者としては否定的である。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2024年9月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

「女性だけ半額」に批判殺到

焼肉チェーン大手「牛角」が9月2日からスタートした女性限定のキャンペーンが物議を醸している。

キャンペーンの内容は、今週と来週の期間限定で、女性に限り通常3,938円の食べ放題が半額の1,969円になる(公式アプリ会員対象、月曜~木曜の予約限定)というものである。

このキャンペーンについてSNSの一部で「女性だけキャンペーンで安くなるのは男女差別だ」という意見が盛り上がった。

牛角側も「女性の食べ放題での注文量が、男性に比べて肉4皿分少ないから」という事情まで説明をしなければいけない事態に陥っている。

令和の時代、特定層向けキャンペーンはすべて炎上する?

結論から申し上げると、令和の時代には特定層向けキャンペーンはほんの一部の例外を除いて、すべてSNSでは燃える。

その背景には自分が損すること以上に、自分以外の誰かが得をすることが許せないという人間の感情がある。

今回は男女での差という現代のトレンドとして最も炎上しやすい内容であったので、SNSで必要以上に批判的な意見が盛り上がったという面がある。

男女の差別議論は元々女性差別というところから発生しているのだが、逆に女性差別であるということが行き過ぎて女性優遇ともとられるような措置に対して、男性側から男性差別だという意見が出てきた。

究極のところ男女の権利をすべて平等にしなければ差別だというところに至ってしまうのだが、これについてはマクロベースで男女の不平等が感じられないような世の中が理想なのであって、個別事案(ミクロベース)ですべて平等にせよというのは個人的には行き過ぎだと思っている。

例えば、男女で体格差は明確にあるわけであり、体力を要するような仕事はどうしても男性が優位になってしまう部分がある。

それに対して体格差差を無視してでも女性にも男性と同じ仕事を課すべきだというのは行き過ぎだと感じる(それによって報酬に差をつけることも合理的だと考える)。

今回の牛角のキャンペーンについても、会社側の説明にあるとおり、統計的には男女で食べる量の差は確実にあるのだから、女性を安くするというのは合理性を有するとは思う。

Next: 特定層を優遇するのは差別か?牛角に怒りの矛先が向いたワケ

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