現代の選挙では、政治とカネの問題が避けて通れません。今回の衆議院選挙でも自民党から「非公認」とされた裏金候補者への資金支援が明らかになり、批判が集まりました。一方、アメリカの大統領選挙ではさらにスケールが違い、ビリオネアたちが各候補を支援し、勝利への道筋をつくろうと膨大な資金を投じています。(「 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 」浜田和幸)
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プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
日本も米国も選挙はカネ次第?
ぶっちゃけ、日本でもアメリカでも選挙の結果を左右するのはお金のようです。
日本の衆議院選挙ですが、あれだけ「政治とカネ」の問題で自民党への批判が巻き起こったにもかかわらず、自民党本部は非公認とした議員の支部に2,000万円の支援金を給付し、選挙活動を裏で支えていたことが判明。
いったい、何のための公認取り消しだったのでしょうか。
とはいえ、政治とカネの問題に関しては、アメリカの方が日本の何倍も腐敗体質が根付いています。
ハリス候補とトランプ候補の接戦が続いているようですが、表でも裏側でも莫大な資金が投じられているようです。
札束が飛び交うアメリカ大統領選挙
民主党のハリス副大統領を資金面でバックアップしている代表選手はビル・ゲイツ氏ですが、「ヒューチャー・フォワード」と名付けた政治資金団体を通じて5,000万ドルを寄付しています。
もちろん、これは氷山の一角に過ぎません。
一方、共和党のトランプ前大統領を全面的に応援しているイーロン・マスク氏は半端ない寄付に加えて、前例のない「金銭バラマキ」作戦を展開し、有権者を共和党に引き付けようとしているのです。
何しろ、世界一の大金持ちといわれるマスク氏ですから、言うことやること、いずれも人々の度肝を抜くことばかり。
大統領選挙まで2週間となった時点で、有権者登録をした人の中から毎日抽選で1人を選び、100万ドル(1億5,000万円)をプレゼントするというのです。
要は、激戦州をターゲットに、過去に投票した経験のない人を有権者登録に導くことで、トランプ氏の票を上積みしようとする試みで、「買収行為」とも見なされています。
どう考えても、カネで票を勝ち取る魂胆としか思えません。
これまでも激戦7州で署名した人には47ドルを支給し、特に接戦が伝えられるペンシルベニア州では100ドルをばら撒いてきたマスク氏です。
すでに7,000万ドル以上をトランプ候補のために寄付してきたと豪語しています。
今回の100万ドル贈呈キャンペーンは「とどめの一発」というわけです。
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