S&P500はなぜ割高なのか
様々な角度からみると、S&P500は少し割高のようです。
そこで、S&P500はなぜ割高なのかを考えてみます。
S&P500が割高である理由として、考えられることは以下のとおりです。
- 企業業績が好調
- AIブーム
- FRBの利下げ期待
- 過剰流動性
それぞれみていきましょう。
<企業業績が好調>
S&P500が割高になっている理由として、S&P500企業のEPS成長率が増加していることが挙げられます。
2024年第4四半期の、S&P500企業のEPS成長率はプラス8.6%でした。
S&P500に組み入れられている企業自体が成長しているため、期待が大きくなっていることから割高になっていると考えられます。
なかでもマイクロソフトやアップルなどハイテク株が大きく利益を稼いでいてS&P500の株価を支えています。
<AI関連銘柄への期待>
S&P500は、AI銘柄によっても押し上げられています。
AI銘柄のなかでも、特に時価総額が大きいエヌビディアが毎年2倍以上の収益を上げています。
そのため、AI市場への期待が大きいことからS&P500は割高になっている面もあるようです。
ただ、直近ではエヌビディアの半導体を使わなくても動くディープシークという高性能なAIの登場でディープシークショックがありました。
そのためAIブームがどこまで続くのか、エヌビディアがどこまで勝ち続けるのかはわかりません。
今後のAI関連銘柄の動向を注意深く見守っていくことも、S&P500の動きを予測する上で重要となるでしょう。
<FRBの利下げ期待>
S&P500が割高な理由として、FRBの利下げ期待があります。
金利は景気に大きな影響を与えるため、株式市場も金利の動きに反応します。
基本的に金利が上がると株価は下がりやすく、金利が下がると株価は上がりやすいです。
直近では、インフレが落ち着いてきたことからFRBは金利を上げない方向性を示しています。
また、トランプ大統領も株価を重要視していることから金利を嫌っています。
2025年は利下げの継続が示されていることから、株価はポジティブな影響を受けていてその期待感からS&P500は割高になっているようです。
<過剰流動性>
過剰流動性のため、S&P500が割高になっていると考えられます。
過剰流動性とは、お金が世の中に流通しすぎて金余りの状況になっていることを指します。
コロナウイルスが流行してから国がお金をばらまいたことで、さらに世界では金余りの状況が加速しました。
その結果、余ったお金の行き先として金融市場にお金が流れてS&P500は割高になったと考えられます。
また、過去の金融危機の影響で企業は資金を溜め込む傾向が強かったところで金余りが起きたため、自社株買いが進んでいることもあります。
その結果、株式の需要が高まり必要以上に取引されることが増えたのでS&P500は割高となっているようです。