まず、ソニーエンジェルは日本特有の「かわいい」「癒される」キャラクターです。これが、若い女性の癒しとなり人気になっていました。しかし、ポップマートは別の路線に進むことにしました。
ここから生まれたヒットがMollyです。見ていただくとわかりますが、日本の「かわいい」とはかなり趣が異なります。特に異なるのが口の形で、への字になって突き出ています。これが意志の強さを感じさせます。しかも、何かつらいことに耐えているけど、そのつらさを人には見せないようにしているように感じます。
これが中国の若者の共感を呼びました。中国で生きていくのは非常に大変で、常にプレッシャーを感じています。学生の間は詰め込み教育のプレッシャー、社会に出てからは仕事のプレッシャー。しかも、成功している人だけではありません。社会の底辺にいる人ですら、プレッシャーを感じて自分を鼓舞していかないと、社会からほんとうに脱落することになってしまうのです。日本のプレッシャーとは切迫感が違うように思います。
Mollyは、そのような自分の投影であり、そこに多くの人が惹かれました。一方、日本の「かわいい」は理想の自分の投影であり、現実の自分の投影ではありません。ここが大きく違います。
これは文化や社会の違いによるもので、どちらが優れているという話ではありません。ポップマートの製品が日本では今ひとつ人気にならないのは、やはり日本人にはピンとこないところがあるからです。一方、中国では日本の「かわいい」は小中高校生向けであり、ポップマートは大学生から社会人向けです。
そのような違いはあるものの、やはり感心をするのがもはや創業15年となり、ヒットを続けながら持続をし、しかもヒットの規模が大きくなっていることです。いったいどのようにして持続を可能にしているのでしょうか――
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流行商品を扱う父の影響と学生起業家時代
格子店の課題と香港で学んだ消費者視点
エンジェル投資家との出会いとソニーエンジェルの成功
SNSで見つけたMollyと「ストーリーレス」戦略
転売屋問題への対応とブーム制御の技術
定番キャラ復活とテーマパークを使った次世代への展開
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※本記事は有料メルマガ『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』2025年9月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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- vol.247:所得は増え、物価もあがり、消費も増えている。それでもデフレだと言われる中国経済の謎。鍵は、口紅効果と消費のドーナツ化(9/23)
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- vol.224:TikTokは米国で配信禁止になってしまうのか?米国公聴会で問題にされた3つのこと(4/15)
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- vol.222:儲かるUI/UX。実例で見る、優れたUI/UXの中国アプリ(4/1)
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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
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』(2025年9月29日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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