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2030年「国際決済を制する暗号通貨」3つの有力候補とは?経済と金融は完全なデジタル化へ=高島康司

2. ステラ(Stellar)のソリューション

リップル社の共同創設者であるジェド・マケーレブによって立ち上げられたプロジェクトで、個人や少額の送金にも焦点を当てている。

  • 使用される暗号通貨
  • XLM(ステラルーメン)

<システムの仕組みと特徴>

  • 開発目的
  • 個人間の少額国際送金や、金融包摂(銀行口座を持たない人々へ金融サービスを提供すること)を主な目的としている。

  • XLMの役割
  • リップルのXRPと同様に、異なる法定通貨間の送金を円滑にするブリッジ通貨として機能する。ステラネットワーク上で、発行されたトークン(法定通貨などにペッグされたもの)をXLMを通じて安価に、高速に交換・送金できる。

  • 利点
  • 送金速度が速く、トランザクション手数料が非常に安価であるため、特に少額・多頻度の送金に適している。

  • 提携例
  • IBMが開発した国際決済ネットワーク「IBM Blockchain World Wire」でステラが利用されていた。

3. 暗号通貨ではないその他の国営の代替システム

暗号通貨ではないものの、SWIFTの代替として開発・普及が進んでいる主要な国営システムもある。これらは地政学的なリスク分散の目的も含まれている。

CIPS(Cross-Border Interbank Payment System)
これは中国の人民元建ての国際決済システムだ。SWIFTへの依存度を下げ、人民元の国際化を推進する目的がある。

SPFS(System for Transfer of Financial Messages)

SWIFTから排除される可能性に備えてロシアが開発した独自の金融メッセージングシステムだ。将来的にはブロックチェーン技術の適用も検討されている。

SWIFTの反撃

このように、SWIFTに完全に代替可能な国際決済のシステムが立ち上がっている。こうした状況にSWIFTも手をこまねいているわけではない。SWIFTも反撃している。それが、前回の記事でも書いた、国際決済通信規格のISO20022に準拠した決済メッセージングシステムへの移行である。これはブロックチェーンを用いたシステムの規格である。

Next: 11月から爆上げか?暗号通貨の需要はどんどん大きくなっていく

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