fbpx

クラシコム、アプリ1,000万DL突破 広告インハウス化が奏功し過去最高業績を力強く後押し

マネーボイス 必読の記事

2026年3月16日に発表された、株式会社クラシコム2026年7月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

AGENDA

青木耕平氏(以下、青木):代表取締役社長の青木です。株式会社クラシコム2026年7月期第2四半期の決算説明を始めます。本日はお忙しい中、決算説明をご視聴いただきありがとうございます。

まず、本日のアジェンダについてご説明します。第1部では、2026年7月期第2四半期の決算概要および業績予想の進捗状況について、CFOの山口より詳しくご説明します。続いて第2部では、2026年7月期第2四半期の事業ハイライトについて、私から詳しくご説明します。

2026年7月期第2四半期業績のハイライト

まず、本題に入る前に、本決算説明全体のハイライトについてご説明します。2026年7月期第2四半期の業績ハイライトです。連結売上高は28億4,000万円で、YoY23.8パーセント増となり、四半期ベースで過去最高を記録しました。

また、EBITDAはYoY28パーセント増の5億6,000万円となり、こちらも過去最高を更新しました。

クラシコム単体の売上高もYoY24.3パーセント増の27億6,000万円となり、同様に過去最高を記録しています。

クラシコムの購入者数も12万人となり、YoY13.9パーセント増と、こちらも過去最高をマークしました。ほぼすべての重要指標で過去最高を更新し、計画どおり、非常に好調に推移した四半期になったと考えています。

この好調の背景としては、「北欧、暮らしの道具店」に対する継続的なマーケティング投資が効率的に進み、ユーザーを着実に獲得し、そのユーザーと長期的な関係を築いている状況が、このような好調を後押ししていると考えています。

続いて、第2四半期の決算概要および業績予想の進捗について、CFOの山口からご説明します。

2026年7⽉期 第2四半期 損益計算書(対 前年同四半期実績)

山口揚平氏(以下、山口):取締役CFOの山口です。業績面についてご説明します。第2四半期および足元を含めて、好調に推移しており、業績予想に対しても順調に進捗しています。

まず、連結損益計算書を前年同四半期と比較しながらご説明します。売上高は23.8パーセント増加し、28億4,000万円となりました。「北欧、暮らしの道具店」が牽引し、過去最高の売上高を達成しました。

売上総利益率については、前期と大きな変化はなく、売上総利益は23.1パーセント増加し、13億円となりました。

販管費も増加していますが、その増加率は19.1パーセントに抑えられ、販管費は7億6,000万円となっています。売上高に対する販管費率は改善しています。その結果、営業利益以下の各利益が大きく伸び、収益性も改善しました。

当社が重視している収益指標であるEBITDAも28パーセント増加し、5億6,000万円と過去最高を記録しました。

EBITDAマージンも0.7ポイント改善し、19.8パーセントと高い水準になっています。

2026年7月期 第2四半期 セグメント別業績(対 前年同四半期実績)

セグメント別の状況についてご説明します。「北欧、暮らしの道具店」はマーケティング投資が非常に好調で、売上高、EBITDAともに過去最高を更新しました。売上高は前年同四半期⽐24.3パーセント増の27億円、EBITDAは前年同四半期⽐27.9パーセント増の5億5,000万円となっています。EBITDAマージンは20パーセントを超える水準に達しました。

「foufou」については、売上高が前年同四半期⽐10.3パーセント増の8,000万円となり、EBITDAは若干マイナスとなりました。第2四半期としてはこのような結果でしたが、上期トータルでは売上高が70パーセントを超える成長を遂げ、EBITDAも確実に利益を出すことができています。

販管費の状況

続いて、販管費の状況についてご説明します。販管費全体の売上高比率は、前年同四半期⽐で1.1ポイント改善し、26.7パーセントとなっています。

広告宣伝費については、マーケティング投資を積極的に行いながら、一定の水準でしっかりと運用しています。その結果、約8,500万円増加させることができました。金額としては増加していますが、売上高広告宣伝費率は約11パーセントで、当期の目安とする水準内で適切にコントロールされています。

次に人件費についてです。人件費はベースアップを行ったものの、人員数はほぼ変わらなかったため、結果として3.1パーセントの微増にとどまりました。

このように人件費の伸びが抑えられていることが、売上高販管費率の低下に大きく貢献しています。

生産性等の向上による収益構造の改善

続いて、収益構造の改善について、さらにご説明します。スライド左側のグラフは、売上総利益と人件費の前年同期比を示しています。

人件費については先ほどお伝えしたとおり、YoYプラス3.1パーセントと微増となりました。一方、売上総利益はYoY23.1パーセント増と、大きく伸ばすことができました。このように、結果として人件費に基づく労働生産性が大きく改善しています。

また、スライド右のグラフは各販管費売上高比率の前年同期比を示しています。トータルでは27.8パーセントから26.7パーセントへと、1.1パーセントの改善が見られます。

内訳を見ると、一番上の薄い部分が広告宣伝費に該当しますが、広告宣伝費は逆に10パーセントから11.1パーセントへと増加しています。

一方、それ以外の人件費を含むコストは改善が進み、売上高販管費率を削減することができたため、トータルでは1.1パーセントの改善となっています。

このように、収益構造の改善と成長のための広告宣伝費の投資枠の拡大という2つが同時に実現できています。今後もトータルの売上高販管費率をしっかりとコントロールしつつ、マーケティング投資のさらなる拡大を実現できると考えています。

2026年7月期 業績予想の進捗

続いて、業績予想に対する進捗をご説明します。連結ベースで見ると、上期折り返し時点で売上高の進捗は51.7パーセントとなりました。売上高はほぼ想定どおりの進捗です。一方、各利益については想定を若干上回る水準で推移しており、進捗率は60パーセント近い水準となっています。

2026年7月期 セグメント別 業績予想の進捗

セグメント別の進捗についてご説明します。「北欧、暮らしの道具店」は非常に順調に進捗しています。売上高の進捗率は52.2パーセントで、ほぼ想定どおりです。EBITDAについては若干上回って推移しており、進捗率は60パーセント近くとなっています。

「foufou」に関しては、売上高が上期で1億9,000万円、EBITDAは1,300万円となりました。高い目標を掲げてスタートしているため、想定からは若干ビハインドしていますが、下期も上期同様に売上高の高い成長を目指しています。その結果として、EBITDAもしっかりと利益を出す見通しです。

2026年7月期 第2四半期 連結貸借対照表

続いて、貸借対照表の状況についてご説明します。全体として非常に健全な状態を維持できています。

自己資本比率は82.7パーセントと健全な状態です。前期末からの主な動きを2点ご説明します。

1つ目は現預金についてです。現預金は前期末と比べて6,300万円減少しました。営業活動からしっかりと資金を獲得してはいますが、それを上回る配当金の支払いが第1四半期にあったため、このような結果となりました。ただし、想定どおりの水準です。

続いて、商品についてご説明します。商品は前期末から3億円増加しています。商品については、事業規模拡大に伴い増加傾向にあります。また、シーズン在庫により季節的な変動も見られます。

このシーズン在庫を適切に管理することが非常に重要だと考えていますが、秋冬物のシーズン在庫をしっかりと抱えていた第1四半期と比べ、2億1,000万円ほど減少しており、シーズン在庫も適切に管理できています。全体としても目立った滞留在庫はなく、健全な状態の在庫を積み上げています。

2026年7月期 第2四半期 連結キャッシュフロー計算書

最後に、キャッシュフロー計算書についてご説明します。第2四半期の3ヶ月間において、営業活動からは6億円近い資金を獲得することができました。投資活動および財務活動に関しては、大きな動きはありませんでした。結果として、現金および現金同等物が5億9,000万円増加し、その残高は46億6,000万円となっています。

フリーキャッシュフローについても、6億円近いレベルとなっています。キャッシュフローは想定どおり順調に進捗しています。そのため、1株当たりの年間配当額の予想については、期首に公表した48円から変更せず、現時点では据え置きとしています。

私からの業績面の説明は以上です。

四半期別売上高・購入者数・新規会員数の推移

青木:続いて、今四半期の事業ハイライトについて私からご説明します。まず、四半期別の売上高・購入者数・新規会員数の推移についてご案内します。

売上高については、先ほど山口が説明したとおり、今四半期はYoY24.3パーセント増の28億円弱と、非常に大きな成長を遂げた四半期となりました。

購入者数がYoY13.9パーセント増加したことが、当期の大きな成長を支える要因の1つです。また、新規購入者の獲得もYoY11.6パーセント増加し、購入者数の伸びを後押ししました。購入者数の増加を伴った売上増をしっかり実現できたと考えています。

「北欧、暮らしの道具店」購⼊者数推移

また、増加した購入者の属性の内訳をスライドで示しています。直近1年以内に購入していただいたお客さまを「継続」、今四半期初めてお買い物をしていただいた方を「新規」、1年以上購入がなかったが久しぶりに今四半期に購入していただいた方を「復活」としてプロットしています。

継続、新規、復活のいずれにおいても過去最高を更新することができました。広告運用による新規の増加だけで売上が増えているわけではありません。

継続的に利用していただいているお客さまがしっかりとお買い物をしていただく、あるいはしばらくお買い物をされなかったお客さまが再び当社でお買い物をしていただくという状況を伴い、底堅い需要を作ることができていることで、過去最高の売上を更新することができました。

エンゲージメントアカウント数・会員数・購入者数推移

また、続いて当社の重要なKPIであるエンゲージメントアカウント数、お買い物会員数、購入者数の推移をご案内します。まず、成長の先行指標であり、最も注力すべきKPIと考えているエンゲージメントアカウント数についてです。

エンゲージメントアカウント数とは、SNSのフォロワーやYouTubeの登録者、アプリのダウンロード数、メルマガの会員数など、お客さまが能動的に当社とエンゲージしたいという意思を持ち行動してくださったアカウントの総数を指します。

特にアプリのダウンロード数が非常に好調で、2026年7月期の上期時点で1,000万人を突破し、総アカウント数は1,100万人を超えるまで積み上がっています。

また、新規のお買い物会員も半期で約6万人増加し、総数は84万人を超えるまでになりました。

前期の新規獲得数が通期で10万人強だったことを踏まえると、上期時点で6万人弱という進捗状況から、通期で新規獲得数が過去最高を大きく更新する見通しであると推測していただけるものと思います。

また、このように着実にエンゲージメントアカウントを増やし、その中から新たなお買い物会員を積み重ねていくことで、当期の年間購入者数が半期で19万人弱に到達しています。

前期の上期時点では購入者数が16万5,000人だったことを踏まえると、こちらも過去最高を大きく上回り、通期を締めることができるのではないかと期待しています。

アプリダウンロード数過去最高を達成

このようにエンゲージメントアカウント数を大きく伸ばし、それが購入者数につながる構造を牽引しているのが、第2四半期において過去最高のダウンロード数を獲得した「北欧、暮らしの道具店」アプリのマーケティング状況です。

2025年11月から12月、2026年1月と3ヶ月連続で月間アプリダウンロード数の最高を更新することができ、現在アプリのダウンロードは非常に好調な状況にあります。

このような状況は、着実に未来のお客さまを増やすことが予測されます。この好調は、足元の業績に反映されていることはもちろん、第3四半期以降の業績にも大きく寄与すると期待される、非常にうれしい先行指標と考えています。

アプリダウンロード広告のインハウス割合の増加による効率化を実現

このように、アプリダウンロード広告が非常に効果的となり、アプリのダウンロード数が過去最高を連続で更新する状況が生まれています。その背景についてご説明します。

アプリダウンロードにおける大きな成果を生み出せた最も大きな理由は、このタイトルにもあるように、アプリダウンロード広告の運用におけるインハウス割合を大幅に増加させた取り組みが功を奏したことにあります。

これまでは、アプリのダウンロード広告を含むほぼすべての運用型広告を、複数の代理店に運用をお願いし、コントロールしてきました。

今期において、さまざまな状況が整ったことを契機に、アプリのダウンロード広告を含むすべての広告運用体制を社内で持つ、いわゆるインハウス化を実施しました。

その後、予算消化におけるインハウス運用の割合を徐々に増加させ、現在では52パーセントを当社が直接運用しています。また、従来は3社の代理店とお付き合いしていましたが、1社に絞り込み、運営の状況としては半分が代理店、半分が当社という体制で進めています。

このことがどのような変化と結果につながったのかについて、大きく2つの成果があったと考えています。

まず1つ目は、インハウス化することで、代理店に支払う運用フィーが発生しなくなり、その分を広告に再投資できる点です。その結果、広告の効率が向上しやすい状況となりました。

次に、これまでの体制では広告素材の制作が代理店となっていましたが、インハウス化によって、自社スタッフが直接広告素材を制作する体制が整いました。

我々はこれまで、SNSなどさまざまなチャンネルを通じてコンテンツを活用し、事業成果を生み出してきました。この経験を通じて、顧客や将来の顧客を最も理解したスタッフが広告素材を制作していることから、広告の精度と効率の向上につながっています。

これら2つの成果により、アプリダウンロードの促進をしっかりと進められる体制が整備され、現時点でインハウス運用割合は52パーセントとなっています。

今後については、代理店との付き合いを継続する意向はあるものの、インハウス比率をさらに増やすことで、さらなる効率向上を目指せると考えています。

私どもの説明は以上です。

質疑応答:新規獲得顧客層の動向とマーケティング投資の影響について

山口:「広告投資を増やしてから1年ほど経ちますが、獲得した新規顧客について、1年前と比べて顧客の傾向やLTVの観点で変化はありますか?」というご質問です。

青木:2025年および2026年と、マーケティングへの投資を加速させ、成長を再加速させる方針で経営を進めてきました。その間に、多くの新規顧客を獲得することができました。

新規に獲得した顧客の動向に大きな変化はありません。基本的には顧客転換率や定着率に変化は見られない状況です。ただし、LTV(顧客生涯価値)や転換率がやや増加傾向にある点が特徴として見られます。

これが継続していくかどうかは今後の状況次第ですが、足元の数字は概ね変わらず、やや改善しているというのが率直な印象です。そのような状況を踏まえ、広告を活用してさらにお客さまを増やしていく構造については、現時点で特段懸念や疑問を感じるような状況にはありません。

質疑応答:エンゲージメントアカウントに関する状況について

山口:「アプリダウンロードが非常に好調ですが、今後もこの傾向は続くと期待していいでしょうか? 足元でダウンサイドのリスクがありましたら教えてください」というご質問です。

青木:もちろん先のことは完全にはわからないという状況ですが、少なくとも現時点でネガティブなシグナルが出ているということはまったくありません。

質疑応答:中東情勢によるコスト上昇と供給の制約への対応について

山口:「中東情勢の緊張により、ホルムズ海峡が実質的に封鎖され、原油価格や海上輸送コストの上昇が懸念されています。御社は海外で生産された商品も仕入れていると思いますが、仮にエネルギー供給の制約などが発生した場合、現地の縫製工場などで生産が停止するリスクはあるのでしょうか? 

また、そのような状況になった場合、仕入原価や物流コスト、リードタイムなど、サプライチェーンへの影響をどの程度想定されていますか? 併せて、粗利率への影響についての考え方も教えてください」というご質問です。

青木:ホルムズ海峡封鎖による影響についてですが、現時点で率直に申し上げると、このリスクが顕在化した場合には、原価高騰やサプライチェーンの寸断といったレベルの問題にとどまらないと考えています。

具体的には、社会が正常に機能するかどうかという課題に直面する可能性があり、これは日本のみならず多くの国々が抱える課題となるでしょう。このような状況では、サプライチェーンのマネジメントや価格のコントロールという問題を超えて、企業としてその難局をいかに耐え抜き、乗り越えるかという課題へと移行するだろうと認識しています。

その点において、当社は十分なキャッシュポジションを有しており、また、先ほど山口からもご説明しましたように、人件費の伸びを抑えながら売上を伸ばすことができる高効率の体質、さらにはコストパフォーマンスに優れた体質を備えています。

このように、極めて厳しい局面において、その期間を乗り越えるだけの体力や効率を保持しているかどうかが重要なポイントとなると考えています。

したがって、もちろん情勢が早期に安定し、そのような難局を回避できることが最も望ましいと考えていますが、仮にそのような状況に直面する場合には、いかに生き残るかということに経営として注力していきたいと考えています。

質疑応答:経営直下人材の獲得施策について

山口:「20周年を視野に、EC事業推進など、幅広い職種で経営直下となる人材の募集を始められていますが、このタイミングでこのような採用を行っている背景と、それによる将来の展望を教えてください」というご質問です。

青木:経営の考え方や取り組み方に大きな変化があったり、目の前に大きなリスクやチャンスが見えているからというわけではなく、これまで同様、さまざまな小さな試みを重ねながら、私たち独自のオポチュニティを見出していくために、新たな人材の取り込みを進めることが、それに貢献すると考え、この取り組みを1つの試みとして実行しています。

ですので、この取り組みについて「未発表のオポチュニティが我々には見えているのではないか」と思われるかもしれませんが、それは少し誤解があるかと思います。

むしろ、そのようなオポチュニティを見いだすために、小さなトライを良い出会いの中で進められるものを進めていきたいという願いから生まれた取り組みです。

質疑応答:新規性のある取り組みとリアル店舗展開の可能性について

山口:「採用内容から、リアル店舗展開など新規性のある取り組みを行っていかれると想像しています。投資と利益のバランスをどの程度重視しサプライズを抑制していくのか? その方針をお聞かせください。御社の小さく試す慎重なオペレーションという方針に変化はないのでしょうか?」というご質問です。

青木:先ほどのご質問でもお答えしましたが、現状としてはリアル店舗を展開する意思決定をしている状況ではありません。人材の確保を含め、リアル店舗を運営できる状況が整うかどうかについては現時点では不明です。トライしている状況です。

リアル店舗を実現するためには、企画があり、それに見合う適切な場所が確保され、その場所を運営するための人材が揃った状態が必要です。これら複数の条件がすべて整わなければ、大きな投資を行うことは難しいと考えています。

そのような観点から、1つずつ達成できたことと、まだ達成できていないことを点検しながら進めていき、条件が整えば積極的に投資を行う予定です。

我々の経営スタンスである「小さく試しながら、確度の高いものにしっかり投資していく」という方針については、ご質問者のご指摘のとおり、まったく変更はありません。

質疑応答:購入者1人当たりの売上高成長要因と取り組みについて

山口:「『北欧、暮らしの道具店』セグメントの購入者1人当たりの売上高が9パーセントほど増加していますが、その理由や取り組みについて教えてください」というご質問です。

まず、「北欧、暮らしの道具店」セグメントには、D2Cドメインとブランドソリューションドメインの2つのドメインの売上が計上されています。今回、「北欧、暮らしの道具店」セグメントの売上成長および1人当たりの売上成長には、ブランドソリューションの貢献があったことをご理解ください。

もちろん、D2Cのほうも1人当たりの売上高が継続的に若干伸びています。第2四半期については、前年の第2四半期と比較して、相対的に高単価のコート類がより多く売れたことが寄与した結果と考えています。

継続的な取り組みとして、マルチカテゴリ戦略をしっかりと進めることで、より多くの魅力的な購買動機を提供し続け、1人当たりの売上高を着実に伸ばしていけると考えています。そのため、引き続き尽力していきます。

質疑応答:ブランドソリューション事業の成長と拡張について

「ブランドソリューション事業の今後の展開について、安定して収益を上げる仕組みやスケーラビリティに関するお考えをお聞かせください」という質問です。

青木:ブランドソリューション事業については、事業開始から10年以上が経過しており、常に安定的に収益を上げ、高い利益率を確保する状況が継続しています。今期も前期に引き続き順調に伸長しており、全体の成長を支える重要な部分となっています。

ただし、一方で非常にクリエイティブな事業でもあります。企画を立案しご提案し、クリエイティブな内容を納品したり運用したりするという組織の構造上、売上を伸ばすためには確実に人員を増やす必要があります。

これは、シンプルに労働集約的な側面を持つビジネスモデルであるためです。そのため、単純に売上を膨張させることに向いているタイプのビジネスではないと考えています。

我々のプラットフォームドメインでは、「北欧、暮らしの道具店」のライフカルチャープラットフォームを活用するブランドソリューションに加え、新たにエージェンシードメインとして、「北欧、暮らしの道具店」のプラットフォームは活用せずに、当社のケイパビリティを活用し、他のプラットフォーム上で表現やコンテンツ制作、企画を進める取り組みを2年前から少しずつ開拓してきました。現状、こちらの売上が非常に大きくなっています。

つまり、これは「北欧、暮らしの道具店」というプラットフォームに制約を受けず、拡張余地を手に入れたということです。「北欧、暮らしの道具店」のD2Cビジネスにおいても、マルチカテゴリ化によってスケールを確保しているところがありますが、ブランドソリューション事業についても、単に「北欧、暮らしの道具店」の上で表現するかたちによるアセットを活用したプロダクトだけでなく、他のメディアやアカウントと協業するかたちで、新たな機会の創出を実現しています。現在、それが売上の大きな割合を占めるようになっています。

このエージェンシードメインをさらに広げることで、「北欧、暮らしの道具店」のプラットフォーム運営で培われた競争力のあるケイパビリティを活用しつつ、プラットフォームのアセットに制約されないスケーラビリティを確保できるのではないかと考えています。

質疑応答:在庫水準と在庫回転率について

山口:「気候変動や物価高等の外部環境の変化に伴い、需給コントロールの難度は高まっていると思います。現状の在庫の健全性をどのように評価されていますか? 

また、来期を見据えたPB商品を含む仕入れ調達において、需要拡大に応える十分な在庫準備と適切な在庫水準の両立について現状の手応えと課題をお聞かせください」というご質問です。

青木:現状の在庫水準についてですが、一般的な在庫回転率という指標で見ると、他の物販や小売事業者と比較して非常に高い水準を維持しています。この状況は現在も変わっていないと考えています。

一方で、在庫回転率を高めすぎることは、機会損失を招く可能性があることも、時間をかけて学びました。そこで、近年では、戦略的に在庫回転率の基準値を少しずつ緩める方針を取っています。

上場前には、十数回転と極めて高い在庫回転率で、1ヶ月分以下の在庫しか保有せずに営業していた時期がありました。しかしながら、上場時に資金調達を行い、現在では十分なキャッシュを確保しているため、在庫への投資を進めています。つまり、在庫回転率をやや緩和しながら、売上増加の機会を的確に捉えるという方針をとっています。

いわゆる世の中で健全な在庫回転率とされる標準的な水準と比較すると、当社の現状は圧倒的に高い水準で推移していますが、この在庫回転率をさらに上げていく考えはまったくありません。むしろ、緩やかに緩和していく方向で成長の機会を見出していきたいと考えています。

現状の当社のキャッシュポジションや規模、成長段階などを総合的に判断すると、在庫に対してそのような向き合い方をするのが適切であると判断しています。足元でも計画どおりに在庫はコントロールされており、引き続き十分に健全な水準、ある意味では圧倒的な水準で推移していると考えています。

質疑応答:生成AIの活用とその影響について

山口:「生成AIの台頭する環境下で、テクノロジーによって加速、拡張させたい領域と独自の世界観を守るために、あえてAIに頼らない領域があると思います。その判断の境界線について、現時点でのお考えをお聞かせください」というご質問です。

青木:現時点ではAIが非常に速い速度で発展しており、この先どこまで発展するか予測するのが難しい状況です。経営において、ある分野を「AIを使わない」と初めから決めてしまうことは、最も避けるべきことだと考えています。したがって、現状ではAI活用に聖域を設けないというのが私のスタンスです。

もちろん、AIの発展がいずれある程度落ち着き、その全貌が見えてきた時には、「ここは聖域を設けたほうがよい」という判断が可能になるかもしれません。しかし、現状では、少なくとも検討において聖域を設けないという姿勢が、急速な進歩の渦中にある現在、経営を進めていく上で重要なスタンスではないかと考えています。

すでにさまざまな場面でAIが活用されており、現在、我々が人員をほぼ増やさずに売上を拡大できている要因の1つにもなっています。それが決定的な要因というわけではありませんが、AIの活用が寄与していることは間違いないと思います。AI活用の広がりが進むことで、この傾向はさらに加速していくと考えています。

特に、これまで難しいとされてきた経営企画に関わる業務では、自動化やAI化が今後一層進むとみられます。定性的なデータや定量的なデータをAIと連携させることで、需要予測やオペレーションの精度向上を目指し、現段階でもさまざまな実験を行っています。

このような取り組みが成果を上げれば、より高精度な業績予測や、早期の変調の察知が可能となり、現在以上の成果を上げられるようになると考えています。

反対に、オペレーションそのものの効率向上については、当社はすでにさまざまなかたちで相当程度達成しています。今期の業績予想どおりであれば、1人当たりの売上は1億円を超える状況となるため、AIの活用によって足元で必要な人員が減ることはおそらくそれほど起こらないと考えています。

ただし、人員をあまり増やさずにどこまで成長できるかという点については、その可能性が変わってくると考えています。例えば、現在行っている多くの業務において、当社はもともと相当に筋肉質な体質となっています。そのため、AIが活用されることで人員削減の可能性や余地はほぼないと考えています。

しかし、現状の人員水準のもとで、それほど大きく増やさなくても、どこまで成長可能なのか、その余地はかなり高まる可能性があると捉えています。

質疑応答:「foufou」の進捗状況と旗艦店の取り組みについて

山口:「『foufou』の状況について、旗艦店の状況も含め、上期の振り返りと、それを踏まえた下期以降の見通しを教えてください」というご質問です。

青木:「foufou」については、昨年比で2倍以上伸ばすという予算を掲げて進めています。その予算に対しては、現状上期は若干遅れを取っているという認識です。ただし、遅れているといっても、170パーセント程度の成長率を達成し、利益も確保している状況ですので、事業の進捗としては非常に好調だと認識しています。

旗艦店については、基本的に想定どおりの動きをしており、大幅に予想を上回る伸びは見られないものの、予想を大きく下回ることもありません。

また、非常に優れた世界観を持つファッションブランドであり、「北欧、暮らしの道具店」という立て付けの我々とは大きく異なる部分を持つブランドです。そのため、旗艦店をこの段階で保有し、世界観を強く打ち出すことは、彼らにとって非常に重要な取り組みとなると考えています。

引き続き、さまざまな課題はあると認識していますが、1つずつ対策を講じており、足元の状況は改善が見られるため、スピード感のある成長が期待できるフェーズだと考えています。業績予想に対する進捗は、下期にどの程度努力できるかにかかっています。

現状、「foufou」の予算も含め据え置いていますが、予算達成の可否については現状ビハインドと認識しています。現在講じている対策が下期にどの程度効果を発揮するかによって、業績予想どおり進むのか、あるいは多少下回るのかが変わってくると見ています。

質疑応答:「foufou」の旗艦店における顧客層の多様性について

山口:「『foufou』の旗艦店について、来店顧客は既存のお客さまが多いのでしょうか? それとも新規のお客さまが多いのでしょうか? また、顧客の年齢層や購買行動などに何か特徴があれば教えてください」というご質問です。

青木:「foufou」の旗艦店については、新規のお客さま、既存のお客さま、年齢層も多様で、特段の偏りはないというのが現状かと思います。

いま読まれてます

記事提供:

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー