AppleはIT企業ではなく「消費者向け事業」
次に、バークシャーのポートフォリオの柱であるAppleについてです。
バフェットはここ1、2年でApple株を一部売却しましたが、これについて「売るのが早すぎた」と反省の意を述べています。
それでもなお、Appleは依然としてバークシャーにとって最大の投資先です。
バフェットはAppleを単なるIT企業ではなく、iPhoneなどを通じて人々の生活に深く入り込んだ「消費者向け事業(コンシューマー事業)」として捉えています。
これは彼が最も得意とする分野です。
また、Appleの経営を指揮するティム・クック氏について、バフェットは「スティーブ・ジョブズよりもマネージャーとしてもうまくやっている」と絶大な信頼を寄せています。
ビジネスを深く理解し、その価値が揺るがないと確信しているからこそ、市場がどう動こうともAppleをポートフォリオの中心に据え続けているのです。
中東情勢とエネルギー株の行方
インタビューでは、緊迫する中東情勢についての考えも語られました。
バフェットが保有するシェブロンやオクシデンタルといった石油関連銘柄は、情勢の不安定化を受けて大きく上昇しています。
しかし、バフェットは「だからといって次に何が起こるかを予測できるわけではない」と冷静です。
「明日何が起こるか、私には分からない」という謙虚な姿勢こそが、彼の強みです。
彼は市場の先行きを当てるゲームをしているのではなく、いかなる世界の変化が訪れても価値を持ち続ける事業を選別することに集中しています。
市場の予測が不可能であることを認め、その上で自分が理解できる範囲で最善の策を講じる、これこそが彼の生存戦略なのです。
不変のバフェット哲学から私たちが学ぶべきこと
今回の最新インタビューを通じて浮き彫りになったのは、バフェットの考え方は何十年経とうともまったくぶれていないという事実です。
CEOを退任しても生活スタイルを変えず、毎日オフィスで事業と向き合い、理解できるものだけを、魅力的な価格になった時だけ買うという姿勢は一貫しています。
私たちがバフェットから学ぶべきは、単に「石油株を買う」といった表面的な手法ではありません。
自分なりの投資の軸を持ち、不確実な相場に振り回されず、納得できる価値にのみ資金を投じるという「忍耐」の姿勢です。
彼が50兆円の現金を抱えて「稲妻が輝く瞬間」を待っているように、私たちもまた、自分の投資哲学を磨き、チャンスを待つ勇気を持つべきなのかもしれません。
バフェットが示してくれた一貫した姿勢こそが、長期にわたって利益を上げ続けるための唯一の正解であることを、今回の対談は教えてくれています。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。
『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2026年4月13日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。