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なぜ長期投資家の多くは3年で売って利益を減らすのか。「何もしない」を守り続ける方法=鈴木傾城

暴落なんかいつでも来るのだから、そんなので動揺していたら長期投資にならない。しかし、メンタルが強い人ばかりではないのだ。マイナスの情報を見たら「売った方がいいのではないか」と不安にとらわれる人の方が多い。

見なければ長期保有できたのに、「見てしまった」ことによって心理的に動揺する。「知ってしまった」ことによって何かしなければともがく。先行きが暗いことが見えてしまったら、対応する方法は「売る」ことしかない。

だから、頭が良くて、バイタリティがあって、研究熱心で、情報の感度が高い人ほど、先回りして売ってしまう。

実際、それで下落局面をうまく避けるときもあるだろう。だが、下落すると思っても、下落が来ないことも往々にしてある。逆に上がることもある。そうなると、売ってしまったことが仇(あだ)になる。

【VOO】【VTI】は長期で見ると、上昇するのが基本である。企業は成長を志向しているので、優秀な企業が集まる米国株式市場は常に成長を続けるからだ。そうであれば、目先がどうなろうが保有しておけばいい。毎日の株価もチャートも「チェックしない」のが戦略として有効になる。

私も、実のところ自分の保有している銘柄の株価は、特に毎日チェックするわけでもない。チャートもほとんど見ない。長期保有すると言っているのに、毎日チャートを見る必要性がどこにあるというのだろう?

死んだ人のパフォーマンスが一番いい

情報に対して感度が高いというのは利点として語られるばかりであるが、そのデメリットはあまり指摘されない。情報感度が高いというのは、裏を返せば「ノイズに反応しやすい」ということなのだ。

市場には毎日のように悲観的な情報が飛び交う。感度が高い人ほど、これらをいち早くキャッチし、不安を増大させ、行動に移してしまう。そうしたニュースの大半は短期的なノイズにすぎないのに、売ってしまうのだ。

そういうノイズは、ほとんどの場合、十年後に振り返ればチャート上の小さな波として埋もれていく程度のものだ。にもかかわらず、感度の高さゆえに目の前の情報を重大視し、保有している銘柄を売り飛ばしてしまう。

結果、長期で得られたはずの複利を、自分の手で削り取ってしまう。もったいない話でもある。

皮肉なことに、長期投資では「買って忘れた人」ほど成功しやすい。チャートを見ない、ニュースを追わない、専門家の意見に耳を貸さない。買ったまま、ただ忘れる。それで大きな果実が得られる。

逆説的だが「死んだ人のパフォーマンスが一番いい」と言われることもある。死んでしまったらポートフォリオをいじり回すことができない。だからこそ最もパフォーマンスが良くなる。

Next: 成功の鍵は「持っている銘柄を忘れる」こと。そうは言われても…

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