2026年5月20日に発表された、フジオーゼックス株式会社2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
会社概要
杉江郁夫氏:みなさま、こんにちは。昨年6月よりフジオーゼックスの代表取締役社長執行役員に就任した杉江です。今回は社長就任後、初めての期末決算説明です。よろしくお願いします。
それでは、2026年3月期の決算説明を始めます。まずは会社概要です。フジオーゼックスは静岡県菊川市に本社を置き、エンジン部品の製造・販売を主な事業としています。1952年に創業し、今年で74年目を迎え、東証スタンダード市場に上場しています。
事業概要

当社は、エンジンバルブのトップメーカーとして、自動車をはじめ、二輪車、産機、建機、農機、船舶など、幅広い分野のお客さまと取引があります。親会社である大同特殊鋼株式会社との共同開発による原材料開発や自社設備開発、そして高い技術力による提案力が当社の強みです。
軽量化やエンジン室内の冷却効果により、エンジンの効率化に貢献する中空バルブや、エンジンの熱効率アップに効果のある鏡面バルブといった、高機能な製品を開発・提供しています。
中空バルブは、三菱重工業殿のゼロ戦で使用された技術を継承し、さらに高度に発展させたものです。
主な得意先(50音順)

主な得意先です。自動車をはじめ、二輪車、産機、建機、農機、船舶といった幅広い分野のお客さまとお取引があります。日系のお客さまが主体ですが、海外への販路拡大にも取り組んでいます。
2026年3月期通期決算ハイライト

2026年3月期の決算概況についてご説明します。ハイライトとして、売上高・経常利益・当期純利益の各指標が前年比で増加しました。
売上高は前年比13.9パーセント増の291億円で、当社創業以来の最高売上高となりました。国内外の内訳は、国内販売が前年度に新規に獲得した大口受注の通年効果により、前年比8.6パーセント増、海外販売が昨年の途中から納入を開始した北米・日産自動車殿向けおよび北米・トヨタ自動車殿向け新規受注の通年効果により、前年比で25.9パーセント増加しました。
営業利益は前年比4.2パーセント減の25億600万円となりました。新規拡販に向けた増産対応による一時的な費用増、諸資材価格の高騰、賃上げによる労務費のアップ、一部製品で関税の影響を受けたことが主な要因です。
経常利益は前年比17.2パーセント増の27億4,300万円となりました。これは、円安の影響などによる為替差益の計上が主な要因です。
また、国内子会社において、継続的な赤字により9,400万円の減損損失を計上したものの、メキシコ子会社において、繰延税金資産のドル評価額が、ドル安ペソ高により増加したため、法人税等調整額を計上しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年比38.6パーセント増の21億4,400万円で、増益となりました。
営業利益の変化要因(前年同期比)

営業利益の変化要因分析です。前期の営業利益26億1,600万円に対し、国内および海外ともに新規受注の通年効果で18億4,800万円の増益となりました。
しかし、増産対応に伴う費用の増加、賃上げによる労務費の上昇、諸資材価格の高騰、関税の影響などで固定費や販売管理費が増加したため、トータルでは前年同期比1億1,000万円減の25億600万円となりました。
バランスシートの状況

バランスシートの状況についてです。売上増加に伴い、売上債権および棚卸資産が増加し、総資産は前期末比11億1,700万円増の381億5,500万円となりました。
これにより、自己資本比率は前期末比で1.7ポイント上昇し、83.9パーセントとなりました。
売上高/営業利益 推移

売上高および営業利益の推移についてです。本業のエンジンバルブ事業での新規受注の獲得や、新規分野でのM&Aの実行により、売上高は直近年度で2年連続過去最高を更新しました。
本年は、米国関税の影響や諸資材価格の高騰、労務費負担増加などによるコスト上昇により、営業利益は前年比1億1,000万円減の25億600万円となりました。
キャッシュフロー

キャッシュフローの状況です。営業活動によるキャッシュフローは、税引前利益の増加、売上債権の減少、仕入れ債務の増加により、前年比21億3,800万円増の50億2,800万円となりました。
一方、投資活動によるキャッシュフローは、前期に実施した連結範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出の減少9億7,900万円、および有形固定資産の取得による支出の増加4億8,600万円などにより、前年比5億3,800万円減の21億1,600万円となりました。
財務活動によるキャッシュフローは、主に前期に比べ、借入金返済15億7,800万円、自己株式の取得6億5,300万円、配当金3,800万円がそれぞれ増加し、前年比22億6,800万円増の31億1,400万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金および現金同等物は、前期末に比べて6,800万円増加し、65億700万円となりました。
業績見通しハイライト

2027年3月期通期の業績見通しについてご説明します。業績見通しのハイライトです。2027年3月期は、ウクライナ紛争や中東情勢の長期化に伴うエネルギー価格の上昇に起因した、輸送コストや諸資材価格の高騰、原材料費の高止まりが想定されています。
また、米国の金融政策の動向や地政学リスクに起因する為替相場の変動による需要減少を、現時点で可能な限り織り込み、売上高は前年比3.8パーセント減の280億円を見込んでいます。
コスト面では、中東情勢の緊迫化に伴う、燃料をはじめとした原油を主原料とする関連諸資材等の調達コスト負担の増加や、賃上げによる労務費の上昇影響が想定されています。
しかし、賃金上昇分の製品価格への転嫁継続や、原価低減活動等により、営業利益は前年比3.8パーセント増の26億円を計画しています。
売上高/営業利益 推移

売上高と営業利益の推移計画です。当社は長期経営方針として、2030年に売上高300億円、営業利益30億円を目指しています。そのための施策として、既存事業における拡販や、M&Aを主体とした新規事業への参入を進めています。
本年は中期3ヶ年計画の最終年度となりますが、本業であるエンジンバルブ事業において、新規受注の獲得やM&Aの実行を通じて、中期経営計画を着実に進めています。売上高は、中期経営計画で目標としている280億円を達成する見込みです。
しかし、コスト面では米国関税影響や諸資材価格の高騰、労務費の負担増など、製造コストを上昇させる要因が多いため、営業利益は26億円となり、中期経営計画で目標としている2027年3月期の営業利益28億円を下回る見込みです。
中期経営計画の最終年度の1年を通じて、全社を挙げて原価低減策を積み上げ、計画達成に向けてさらなる努力を続けていきます。
株主還元

株主還元です。「2026中期経営計画」で、DOE1.7パーセントを目安とした配当と、株主優待、自己株式取得を合わせて、総還元性向を40パーセントとしています。
これを踏まえ、2026年3月期の期末配当を当初予想の30円から2円増配し、32円としました。これにより、中間配当と合わせた年間配当は54円とします。
配当金は前年から2円の増配となり、さらに8.3億円の自己株式取得や株主優待の拡充を行うことで、総還元性向は65.7パーセントとなります。
2027年3月期の年間配当は、1株当たり54円を予定しており、中期経営計画3年間の総還元性向平均40パーセントおよびDOE1.7パーセントを目安とし、今後も自己株式の取得を検討していきます。
以上をもちまして、2026年3月期の決算説明を終了します。
