当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)
筆者プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。
1万5750円~1万7385円の動き、当面は一喜一憂しないが得策か
今週のコメント
日経平均は4月11日に通常変動の下側を上回り通常の変動範囲に戻ったあと上げ足を速め、14日には1万6911円と理論株価の1万6790円に追いつきました。足元、業績(日経平均ベースの予想EPS)と米ドルレートが下げ止まっていることから、当面は理論株価近く水準で落ち着く形が有力でした。
ところが翌週初の18日に572円の急落、翌19日には598円の急騰でお返しをするという目まぐるしい動きをみせています。年初来のファンダメンタルズと離れた荒っぽい相場変動は依然続いていると見られます。
しかし、下の図2から、日経平均は基本的に通常変動の範囲内での動きに戻っていると言えます。ここは、決算までに実績を上げなければならない機関投資家の皆さんのご苦労は横目に、投資期間の縛りのない個人投資家の特徴を最大限活かして、一喜一憂せず1万5750円と1万7385円の通常変動範囲での動きは静観、というスタンスが得策と言えそうです。
<グラフと数表>
グラフ1:「日経平均と理論株価の推移」
グラフ2:「日経平均と変動範囲の上限・下限―拡大グラフ」
数表:「直近5日間の日経平均と変動の範囲・かい離率」
日経平均と理論株価の推移
2014年1月6日~2016年4月19日
日経平均と変動範囲の上限・下限―拡大グラフ
2015年8月3日~2016年4月19日
直近5日間の日経平均と変動の範囲・かい離率
2016年4月13日~2016年4月19日
『投資の視点』(2016年4月20日号)より一部抜粋
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