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東京インキ、高付加価値製品シフト・販売価格改定等の施策効果により増収増益 来期は構造改革を本格化し連続増配継続

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2026年6月2日に発表された、東京インキ株式会社2026年3月期決算および2027年3月期業績予想説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

本日お伝えしたいこと

堀川聡氏:みなさま、こんにちは。ご紹介にあずかりました、東京インキ株式会社代表取締役社長の堀川です。本日はお忙しい中、当社の説明会にご参加いただき、誠に有難うございます。

本日の説明内容はこちらの3点です。

(1)インキ事業 概要

まず初めに、当社の主要事業と各製品について簡単にご紹介します。

当社の祖業でもあるインキ事業についてですが、主要製品の1つ目は雑誌、パンフレットなどに使用されているオフセットインキ、2つ目は食品包装などに使用されているグラビアインキ、3つ目は産業用途・建築材料などに使用されているインクジェットインクです。

(2)化成品事業 概要

次に、化成品事業の製品は、主にプラスチック製品を作る際に使用されるマスターバッチ、コンパウンドといわれる材料です。

大きく分けると2つの材料があり、1つ目はプラスチックに色をつける材料、2つ目はプラスチックを保護したり、強くしたりする機能を付ける材料です。

これらは、自動車の内外装部品、シャンプーや化粧品などのボトル容器、食品包装フィルムなどを作る際に使われています。

(3)加工品事業 概要

最後に、加工品事業の製品ですが、大きく分けると4つあります。

1つ目はネトロンという製品で、ミカン用のオレンジ色ネットやオクラ用の緑色ネットなどの包装用が代表的なものです。

2つ目は一軸延伸フィルムで、食品包装フィルムなどになります。

3つ目は土木資材で、主要製品は災害の防止、復旧のために使用されるプラスチックシートであるジオセルです。

4つ目は農業資材です。特に力を入れている製品は、エナジーキーパーというシートで、農業ハウスに設置し、光と温度をコントロールすることで夏は冷房、冬は暖房を減らすエコな製品です。

このように、加工品事業の製品は、インキ事業、化成品事業の製品のように材料ではなく、部品となる製品とご理解いただければと思います。

※ネトロンは三井化学株式会社の登録商標です。

Our Purpose

当社は、「「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する」を存在意義(パーパス)としており、「伝える」は人と人との間をつなぎ「伝える」こと、「彩る」は身の回りを「彩る」ことで生活を豊かにしていくこと、「守る」は私たちの生活や地球環境を「守る」ことを表しています。

これらの思いを胸に、企業活動を通じて社会に貢献していきます。

サマリー

ここからは、2026年3月期決算概要および2027年3月期業績予想と株主還元のご説明となります。

まずは2026年3月期決算概要についてご説明します。

(1)エグゼクティブサマリー

2026年3月期の売上高は499億円と、前年比で6.7パーセントの増収、営業利益は約22億円と、69.4パーセントの増益となりました。

この増収増益は、主力製品の市況回復による販売数量の増加および、製品ポートフォリオ見直しに伴う高付加価値製品へのシフトや、各事業の製品販売価格改定の進捗によるものです。

また、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益について、加工品事業のネトロン事業における減損損失を約8億円計上しましたが、資産の効率的な活用と経営資源の見直しを進める中で実施した支店の売却による固定資産売却益の計上や、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益の計上により、前年比で大幅増益となりました。

(2)四半期業績推移

四半期ごとの推移で売上高と売上高営業利益率を見ても、今期は過去3年に比べても好調に推移しました。

また当社は、従来より第3四半期に業績が比較的好調となる傾向があります。これは、年末にかけた需要増加や営業日数の多さが背景にあります。

掲載のグラフからもおわかりいただけるとおり、第3四半期は、売上高や利益率が他の四半期より高水準となるケースが多く、稼働率の向上や旺盛な需要が、業績を下支えする構造的な傾向です。

(3)前期比増減要因分析 -売上高-

売上高の増減要因を詳しくご説明しますと、約31億円の増収のうち、主なものとしては、17億円は販売数量が増加したことによるものであり、13億円は製品ポートフォリオ見直しに伴う高付加価値製品へのシフトや、販売価格改定による販売価格差によるものとなっています。

特にインキ事業の販売活動強化やメディカルパッケージ向け製品、化成品事業の高付加価値製品の販売増加が大きく寄与しました。

(3)前期比増減要因分析 -営業利益-

営業利益の増減要因を詳しくご説明しますと、約9億円の増益のうち、高付加価値製品の売上比率増加に伴う交易条件の改善が、利益増加要因として大きく寄与しました。

当社における交易条件とは、販売価格差異と、原材料価格差異のネット影響額を指します。

(4)セグメント別業績 -サマリー-

ここからは、セグメント概況についてご説明します。

インキ事業、化成品事業は収益力が改善し、前年比で増収増益となりました。

加工品事業はネトロンの受注減等がありましたが、土木資材の大型案件受注により、減収増益となりました。

(4)セグメント別業績 -インキ事業(1/3)-

ここからは、主要3事業について詳しくご説明します。

はじめに、インキ事業の業績は売上高183億円、セグメント利益10億円となりました。

インクジェットインクは想定を下回ったものの、オフセットインキとグラビアインキが堅調に推移した結果、前年を大きく上回る結果となりました。

(4)セグメント別業績 -インキ事業(2/3)-

インキ事業の主要製品についてご説明します。2026年3月期第2四半期から傾向は変わっていません。

オフセットインキについては、市場縮小が続いていることから前年よりも低めの計画を立てましたが、当社が得意とするオフセット輪転インキを中心に、既存の重要顧客への販売強化と新規顧客開拓に注力した結果、前年比、計画比ともにプラスとなりました。

グラビアインキについては、今年度よりメディカルパッケージ用途向け製品の販売を本格的に進め、順調に推移しました。さらに、近年注力している、印刷物に機能を付与する機能性インキ・コート剤も着実に成長した結果、前年比、計画比ともにプラスになりました。

インクジェットインクでは、カスタマイズ製品を中心に、生産受託と自社製品開発の両輪で着実に事業基盤の強化を進めています。

自社製品が伸び悩んだことに加え、欧州向け受託製品の受注が減少した結果、前年比、計画比ともにマイナスになりました。

(4)セグメント別業績 -インキ事業(3/3)-

こちらがインキ事業の四半期ごとの売上高およびセグメント利益率の推移となります。

四半期の売上高は30億円台で推移していましたが、オフセットインキが堅調であったことに加え、2025年3月期第3四半期以降はグラビアインキのメディカルパッケージ向け製品の売上が上乗せとなりました。これにより、安定して40億円を超える売上を維持しており、利益率も上昇しています。

(4)セグメント別業績 -化成品事業(1/3)-

続いて、化成品事業の業績は売上高238億円、セグメント利益8億円となりました。

主に、日本国内の自社製品とタイを中心としたASEAN地域の販売が堅調に推移した結果、いずれも前年を上回る結果となりました。

(4)セグメント別業績 -化成品事業(2/3)-

化成品事業の主要製品についてご説明します。2026年3月期第2四半期から傾向は変わっていません。

日本国内の自社製品は主力製品である、プラスチックフィルムにさまざまな機能を付与する製品や、モビリティ向け製品が堅調に推移し、前年比・計画比ともにプラスになりました。

日本国内の受託製品は低収益製品の整理を進める中で、顧客要望に基づく一時的な受注増に加え、光学用途製品が堅調に推移したことにより、前年比・計画比ともにプラスとなりました。

海外は、主力製品であるモビリティ向け製品および機能性包材用途製品が堅調に推移し、前年比・計画比ともにプラスとなりました。

(4)セグメント別業績 -化成品事業(3/3)-

こちらが化成品事業の四半期ごとの売上高およびセグメント利益率の推移となります。

四半期の売上高は50億円台前半で推移していましたが、2025年3月期第3四半期以降は主にモビリティ向け製品が好調であったことと、受託製品の一時的な受注増の影響により、50億円台後半から60億円台前半の売上となっており、利益率も上昇しています。

(4)セグメント別業績 -加工品事業(1/3)-

最後に、加工品事業の業績は売上高75億円、セグメント利益4.8億円となりました。

ネトロンの業績低迷を、土木資材を中心としたその他の主要製品でカバーした結果、売上高は前年比でマイナスになりましたが、セグメント利益はプラスになりました。

(4)セグメント別業績 -加工品事業(2/3)-

加工品事業の主要製品についてご説明します。

ネトロンは、主力製品である水処理用資材が、市場競争の激化などにより販売が低調に推移し、前年比・計画比ともにマイナスとなりました。

一軸延伸フィルムは、ダンボールカットテープ向けなど、産業用途フィルムが堅調に推移したものの、主力製品である食品包装向けフィルムが低調に推移した結果、売上は前年比・計画比ともにマイナスになりました。

一方、セグメント利益は高付加価値製品比率が向上したことで、前年比・計画比ともにプラスになりました。

土木資材は近年の成長を踏まえ挑戦的な計画を策定しましたが、防災・減災用途や基礎地盤用途に使用されるジオセル工法が堅調に推移し、前年比・計画比ともにプラスになりました。

農業資材は、市場縮小を踏まえ前年より低い計画を立てましたが、機能性農業資材エナジーキーパーが堅調であったことに加え、一部製品の販売価格改定が進んだことなどにより、前年比・計画比ともにプラスになりました。

(4)セグメント別業績 -加工品事業(3/3)-

こちらが加工品事業の四半期ごとの売上高およびセグメント利益率の推移となります。

四半期の売上高は20億円前後で推移しており、多少の増減はあるものの、直近のセグメント利益率は高付加価値製品の比率が増えた結果、前年比で上昇しました。

(5)トピック(1/2)

ここからは2026年3月期のトピックを3点ご説明します。

1つ目に、冒頭でもご説明した加工品事業の減損損失についてです。

主力製品である水処理用資材市場での競争激化の影響などにより業績が悪化しており、翌期以降においても収益力の回復が見込めない状況であるため、約8億円の減損損失を計上しました。

今後は、収益性の確保を最優先課題とし、コスト削減の徹底や採算性を重視した事業運営に取り組むとともに、製品の付加価値向上や販売体制の強化を通じて、競争力の強化を図ります。

2つ目に、米国連結子会社TPICの出資先解散についてです。

TPICとは米国の連結子会社「東京インキUSA」のことで、米国において化成品の輸入販売などを行っています。TPICが出資する持株会社は、投資先の業績悪化により解散し、TPICを含めた各出資者に残余財産が分配されました。2026年3月期決算では損益影響額は軽微であり、2027年3月期以降には出資金運用損益は発生しません。

(5)トピック(2/2)

3つ目に、新規事業創出と生産体制再構築に向けた取り組みについてご説明します。

新規事業は既存領域の周辺分野を優先的に探索しています。施策としては自社開発、M&A活用、産官学協働を並行して進めています。長期ビジョン最終年度である2031年3月期の経営目標達成に向け、新たな収益の柱を確立できるように取り組みを進めていきます。

また、生産体制再構築に向け、新工場建設用地として茨城県坂東市の土地を取得しました。本工場は、主として化成品事業におけるモビリティ向け製品の生産を担う計画であり、将来的には加工品事業や新規事業への対応も視野に入れています。

また、新工場の建設と並行して、吉野原工場や土岐工場の機能最適化を段階的に進めることで、全体最適の実現を図っていきます。

(6)連結貸借対照表

ここからは、連結貸借対照表についてご説明します。

資産効率向上のため、債権流動化や自己株式の取得など、バランスシートのスリム化を進めていますが、増収による売上債権の増加や、投資有価証券評価額の増加により、前期末から総資産は約28億円増加しました。

なお、政策保有株式の縮減は、今後も継続して進めていきます。

(7)連結キャッシュ・フロー

続いて、キャッシュ・フローについてご説明します。

営業キャッシュ・フローは、収益力の改善による利益増加が寄与し、プラスとなりました。

投資キャッシュ・フローは、アセットライト経営推進に向けた支店の売却により収入が増加し、フリーキャッシュ・フローは前年比約13億円の増加です。

財務キャッシュ・フローは、株主還元の強化に伴い支出が増加しましたが、営業キャッシュ・フローで創出した資金により、投資と株主還元を両立できる状況です。

今後も、安定的なキャッシュ創出を基盤に、成長戦略に沿った投資と株主還元を進めていきます。

(1)業績予想(1/2)

続いて、2027年3月期の業績予想についてご説明します。

通期売上高は前年比で約10億円の減収、営業利益は約4億円の減益とした計画ですが、退職給付制度のDC制度への移行に伴う特別利益の計上により、当期純利益は前年比約0.8億円の増加を見込んでいます。理由は次のスライドでご説明します。

なお、今回発表の業績予想においては中東情勢の影響は織り込んでいません。

(1)業績予想(2/2)

外部要因としては、為替変動や原材料価格上昇の影響が考えられます。これらにより引き起こされる物価上昇によって消費マインドが低下することが懸念されます。

内部要因としては、人的資本強化による人件費増加、2026年3月期に発生したインキ生産設備故障を教訓としたメンテナンス強化による費用増加を計画に織り込んでいます。これらは当社にとって必要な投資と考えています。

事業要因としては、進捗が遅れている化成品事業の低収益製品の整理による戦略的な販売数量の減少を計画に織り込んでいます。一時的には減収になりますが、高収益体質への変革に向け、必要なステップになります。

また、インキ事業における、市場縮小の影響も計画に織り込んでいます。

(2)外部環境(為替・ナフサ価格)の前提と当社の対応

2027年3月期業績予想における為替、ナフサ価格の前提と当社の対応についてご説明します。

2027年3月期の計画策定時には国産ナフサ価格をキロリットルあたり6万5,000円、為替を1ドル155円で設定していましたが、中東情勢問題の影響により、想定以上にナフサ価格は高騰しています。原材料上昇に対応した製品販売価格への転嫁を進めることで利益確保に努めていきます。

一方、供給面においては、中東情勢問題が発生した直後は溶剤などの一部原材料で支障がでましたが、現在では解消されています。当社においては安定した生産ができており、当面の間、製品供給に支障は出ないと考えています。

なお、中東情勢問題が長期化した場合には原油由来の原材料の供給が不安定になる懸念があります。

(3)業績予想比増減要因分析 -売上高-

続いて、売上高の増減要因についてご説明します。

2026年3月期は期初の予想に対して、化成品事業の低収益製品を整理する前の一時的な受注の積み増しなど、想定以上に販売数量が増加した影響により増収となりました。

一方、2027年3月期は販売価格改定を織り込んではいるものの、販売数量減少の影響が大きく減収予想としています。遅れている化成品事業の低収益製品の整理を断行することで販売数量は大きく減少する見込みですが、先ほどもご説明したとおり、高収益体質に変革するために必要なステップとなります。

(3)業績予想比増減要因分析 -営業利益-

続いて、営業利益の増減要因についてご説明します。

2026年3月期は期初の予想に対して、増収要因でご説明した販売数量の増加に加え、販売価格改定進捗による交易条件の改善もあったことで、想定以上に増益となりました。

一方、2027年3月期は販売価格改定をさらに進めることで交易条件改善はあるものの、販売数量の減少に加え、固定費増加の影響が大きく、減益予想としています。

固定費増加に関しては、新工場建設を含む生産体制再構築に係る費用や人的資本投資強化による人件費増加などを織り込んでいます。

(4)セグメント別業績予想 -インキ事業-

ここからはセグメント別の業績予想についてご説明します。

まずはインキ事業になります。インキ事業は近年堅調に推移していましたが、売上高はオフセットインキの市場縮小影響、グラビアインキの低収益製品の整理、インクジェットインクの欧州向け受託製品の需要減少などが重なり、減収予想としています。

また、利益は減収に加え、生産体制再構築や設備メンテナンス費用、人的資本投資強化による人件費などの固定費増加の影響もあり、減益予想としています。

(4)セグメント別業績予想 -化成品事業-

次に化成品事業になります。

売上高は低収益製品の整理断行による戦略的な減収分を自社製品とタイを中心としたASEAN地域への拡販によりある程度はカバーできるものの、全体では減収予想としています。

一方、利益は生産体制再構築や設備メンテナンス費用、人的資本投資強化による人件費などの固定費増加の影響を受けるものの、高収益製品比率の増加や製品販売価格改定などにより増益予想としています。

(4)セグメント別業績予想 -加工品事業-

最後に加工品事業になります。

売上高は、土木資材は横ばいもネトロン、一軸延伸フィルム、農業資材それぞれの主要製品拡販により全体では増収予想としています。

利益は生産体制再構築・設備メンテナンス費用や、人的資本投資強化による人件費などの固定費増加はあるものの、増収効果に加え、2026年3月期に実施した減損処理に伴う償却費の減少もあり、増益予想としています。

(5)2028年3月期に向けて

ここまで、2027年3月期は前期比で減収減益になることについてご説明しました。しかし、これは高収益体質への変革に向けた不可欠な取り組みであり、当社の成長には必要なステップと考えています。

これらの取り組みを2027年3月期中にやり切ることで、利益率が向上し、中期経営計画最終年度である2028年3月期の目標を達成できると見込んでいます。

また、昨今の中東情勢に端を発する原材料供給の混乱を目の当たりにし、不測の事態にも揺るがない強靭な経営基盤を築くことの必要性をあらためて認識しました。だからこそ今、強靭な収益構造に変えていくことが不可欠であると確信しています。

さらに、長期ビジョン最終年度の2031年3月期に向けて、新規事業の創出を進め、持続的に価値を創造できる企業グループへの進化を目指していきます。

(6)株主還元・配当

当社では、配当性向40パーセント以上またはDOE1パーセント以上を目安に、株主のみなさまへの利益還元を行っています。

2026年3月期において、前年を大幅に上回る当期純利益を計上しました。その結果、年間配当については、前期から25円増配し、通期で63円、配当性向は42.7パーセントを予定しています。

また、2027年3月期の年間配当額については、前期から2円増配し、通期で65円、配当性向は41.7パーセントを予定しています。

当社の会社説明は以上となります。本日はご清聴いただき、誠にありがとうございました。

質疑応答

質疑応答はこちらに掲載されています。

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