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ワコム Research Memo(1):2026年3月期は事業構造改革効果等で大幅増益。2027年3月期も増益を見込む

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■要約

ワコム<6727>は、デジタルペンとインクの事業領域で、技術に基づいた顧客価値の創造を目指すグローバルリーダーである。スマートフォンやタブレット、ノートPCなどの完成品メーカー向けに独自のデジタルペン技術をコンポーネントとしてOEM供給する「テクノロジーソリューション事業」と、映画制作やデザインのスタジオで働くデザイナー、アニメーターといった世界中のクリエイター向けに自社ブランドで商品ポートフォリオを展開する「ブランド製品事業」の2つのセグメントで事業を展開している。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.9%減の109,995百万円、営業利益が同31.1%増の13,382百万円と、減収ながら大幅増益を達成した。減収の主な理由は、前期よりも為替が円高に進んだことや米国関税の影響に加え、「テクノロジーソリューション事業」におけるOEM顧客からの需要動向の変化によるものである。一方、この数年苦戦してきた「ブランド製品事業」については新製品投入効果により大幅な増収となった。損益面でも、円高及び米国関税の影響があったものの、「ブランド製品事業」の事業構造改革に伴う固定費削減や新製品投入効果により、大幅な増益を実現した。活動面でも、技術・資本提携やM&Aなどを通じ、新ユースケースの開拓並びに事業成長の加速に向け、様々な取り組みを進めた。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比0.0%増の110,000百万円、営業利益を同4.6%増の14,000百万円と、営業増益を見込んでいる。円高やメモリ価格の高騰といった外部要因による影響に加え、「テクノロジーソリューション事業」での停滞が続くものの、「ブランド製品事業」における新カテゴリー(ポータブルクリエイティブ製品)等の伸びが業績をけん引し、売上高全体では横ばいを確保する。損益面でも、円高やメモリ価格の高騰による影響や成長投資の継続を見込むも、費用抑制やポータブルクリエイティブ製品の拡販等でカバーし営業増益を確保し、営業利益率は12.7%(前期は12.2%)に改善する想定である。

3. 中期経営計画「Wacom Chapter 4」の概要
2025年4月よりスタートした4ヶ年の中期経営計画「Wacom Chapter 4」は、技術革新とコミュニティとの共創により、デジタルペンやインクが持つ可能性を教育や日常業務、医療分野のDXなど、持続的成長が見込めるユースケース領域へと拡大する戦略である。最終年度(2029年3月期)の数値目標として、売上高1,500億円、営業利益150億円、ROE20%以上、ROIC18%以上を掲げている。また、企業価値のさらなる向上へと導く資本政策については、R&Dや設備投資、技術資本提携に積極的に資金投入する一方、株主還元についても総還元性向50%以上(年間配当22.0円を下限とした累進配当制度の導入+機動的な自己株式の取得)を目指す。

■Key Points
・2026年3月期は「ブランド製品事業」における新カテゴリー製品の伸びや事業構造改革により黒字定着、大幅増益を達成
・新ユースケースの開拓や事業展開の加速に向け、技術・資本提携を積極化
・2027年3月期も売上高は横ばいながら増益基調が継続する見通し
・中期経営計画「Wacom Chapter 4」では、技術革新とコミュニティとの共創によりさらなる企業価値向上を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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